カンボジア労働職業訓練省(MLVT)は、全国の中学校・高校に約3000人の職業訓練指導員を配置する計画を発表した。ヘン・スアー労働大臣が、国立技術訓練研究所(NTTI)で開催された「持続可能な発展と影響のためのTVET卓越性再考」ワークショップ閉会式で明らかにした。
ヘン大臣は、「各校に少なくとも1名の職業訓練指導員を配置し、学生が学問系または職業系の進路を適切に選択できるよう支援する」と述べた。中学1〜3年生(7〜9年生)から進路情報を提供し始めることで、学生と保護者が将来像を早期に明確にできると期待している。
これまで政府は高校上級学年(11・12年生)に焦点を当ててきたが、今後は中学段階からの職業教育への意識改革を目指す方針である。高校進学時(10年生)には、各自の適性や志向に合った進路選択ができるよう支援する。
また、2026〜2027年度から、経済特区や工業団地周辺の高校において職業教育コースを導入する予定である。さらに、9年生終了後に中途退学する生徒向けに、中学校近隣に職業訓練ワークショップを設置し、収入確保の選択肢を提供する計画も進める。
ヘン大臣は、「高校での職業教育コースも数学、物理、化学、クメール語といった基礎科目は維持するが、そこにC1、C2、C3レベルに相当する職業訓練内容を組み込む」と説明した。教材やカリキュラムも生徒の学力に応じて調整する方針である。
準備作業は労働職業訓練省標準局の技術者たちが担当し、2026〜2027年度開始(約16か月後)までに完了させる見通しである。
プノンペンの大学3年生の一人は、この取り組みを歓迎し、「多くの中高生は技術的スキルへの認識が乏しく、早期に実技スキルを学ぶ機会を設けることで、労働市場のニーズとのギャップを埋めることができる」と述べた。
彼はまた、「学業成績が振るわない生徒でも、携帯電話やコンピュータ修理など実技分野では高い適応力を示す場合がある」と具体例を挙げ、早期職業教育の重要性を強調した。