カンボジア観光省は、雨季の観光促進を目的とした「Visit Cambodia in the Green Season」キャンペーンの一環として、中国系カンボジア人インフルエンサー16名との連携を開始した。これらのインフルエンサーは、総フォロワー数が1,000万人を超え、特に中国・雲南省の若年層をターゲットとした短編動画イベント「Z世代ランサン・メコンショートビデオXIUイベント」に参加している。
6月17日、フート・ハック観光大臣はカンボジア中国デジタル青年協会(CCDYA)の共同代表リム・ニトー(Nito H. Lim)およびリー・ジェン(Li Zhen)、ならびにインフルエンサーの代表者らを観光省で迎えた。同大臣は、「彼らはカンボジアが平和で政治的に安定しており、温かさ、もてなし、可能性に満ちていることを世界に示している」と述べ、インフルエンサーが若年層に訴求する手段としてのデジタルチャンネルの活用を評価した。
今後の協力体制強化を視野に、観光促進およびデジタル広報に関する覚書(MoU)の締結が検討されており、年内にカンボジア・中国KOLイベントの開催も計画されている。この動きは、観光分野におけるデジタルメディアの影響力拡大と、政府が推進する創造産業・技術産業による国際的観光認知度向上戦略の一環とされる。
観光省の報告によれば、2025年1〜4月の外国人訪問者数は240万人を超え、前年同期比で13.6%の増加となった。内訳は、陸路による入国が135万人、空路が101万人、水路が約4万人であった。主要な観光客送出国は、タイ(67万人)、ベトナム(41万人)、中国(39万人)であり、米国からも9万人超の訪問者を記録した。韓国、日本、ラオス、インドネシア、フランス、英国も上位に挙がっている。
政府は2025年末までに700万人超の外国人観光客誘致を目標としており、観光産業は依然としてカンボジア経済の成長を支える重要な柱である。