カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

2020年3月11日
カンボジア進出ガイド

【マーケティング・メディア】

309 カンボジアのマーケティング・メディア①(2020年1月発刊 ISSUE11より)

カンボジアのメディアの特徴 Features of Media

 メディアオーナーシップモニター(MOM)によると、カンボジアには数百にも及ぶメディアがあるものの現実は異なっているという。例えば、テレビ局の半数だけで視聴者シェアのほとんど9割以上を占めていたり(つまり、半数のテレビ局はほとんど視聴者がいない)、新聞や雑誌では89%はアクティブではなかったりする。なお、ラジオ局は175局が登録されているが、アクティブなラジオ局数とその送信範囲に関するデータが取れないほど、ライセンスの競合は激しく、市場は細分化されている。

 インターネットはラジオの人気を引き継ぎ、著しい成長を遂げている。現在、カンボジア人の96%がテレビを視聴しており、今でも影響力は大きい。次いで、トゥクトゥク(92%)、看板(88%)、ポスター(83%)の広告、インターネット(39%)、ラジオ(35%)と続く。新聞や雑誌は、カンボジアの聴衆の一部に限定されている。

 いずれにせよ、カンボジア人の誰に向けてマーケティングをするのかを明確にすることは大切だ。日本は中間所得層が多いが、カンボジアは富裕層から低所得者層までの幅広いため、どこの層をターゲットにするのかで全くアプローチの仕方が変わってくる。

オンラインメディア Online Media

 テレビの次に多く認知されているのがインターネットであり、国民の39%がユーザーである。ただし、テレビと違い、都市部と地方では格差があり、都市部の45%に対し、地方では28%にとどまる。一日複数回ネットにつなぐという層も都市部では59%にのぼる。端末で一番多いのが携帯電話で47%。デスクトップ、ノートパソコンが45%で、タブレットは8%にとどまる。プノンペンで電話を保持する人の半分がスマートフォンである。

 最も多く閲覧されているサイトはフェイスブック、ユーチューブ、グーグルだが、上位4位以下10位のすべてがニュースサイトで占められている。



 クメール語、英語、中国語で全記事を配信していて、アプリインストール数120万、ソーシャルメディア250万ユーザーを誇るフレッシュニュースのリア・チュア・ヴッタCEOは、「ユーザーが興味あるのはソーシャル(社会面)ニュースで、事件や事故などのニュースを配信するとアクセスが集中する。またアクセス解析の結果、最近は政治や経済に関するニュースにも興味を持っているようだ」とカンボジア人の現状と変化しつつある興味関心事に言及した。



 インターネットの使用が盛んになっている理由について、毎月2000万のページビュー数と250万の訪問者数を誇るサバイ・ドットコムを運営するサバイデジタルコープのチー・セラ氏は、「質の高いコンテンツを作成するには素晴らしい人材を雇う必要があります。弊社は、国内で最も優秀なチームを擁しています。メディアビジネスにおいて優秀な人材は最高の投資です。コンテンツ制作は非常に特殊なスキルが求められるので、クリエイターは意味のあるコンテンツを作るために常に刺激を受ける必要があります。現在多くのブランドが広告ニーズのためにプラットフォームに直接進出しているので、投資の方法が変化し、独立したサイト運営者はコンテンツを収益化することが難しくなっています。多くの独立したフリーメディア企業は、ウェブサイト上で寄付を募ったり、有料モデルまたはサブスクリプションモデルに移行しています」と語った。


その他の「マーケティング・メディア」の進出ガイド

マーケティング・メディア
マーケティング・メディア
マーケティング・メディア