2023年3月23日
――PPCBank頭取ご就任おめでとうございます。
リー・ジンヨン(以下、リー) ありがとうございます。この場をお借りしまして、PPCBankを信頼し続けてくださったすべてのお客様に心からの御礼をお伝えしたいと思います。
加えて、大切なお客様に最高のサービスを提供するために、それぞれの役割と責任を全うしながら努力を続けているPPCBankファミリーのすべてのメンバーに感謝の意を表します。
――頭取就任への経緯について教えてください。
リー カンボジアは私にとって初めての場所ではありません。2016年から2020年までの4年間には、当時のシン・チャン・モー元頭取とともにPPCBankの経営に携わり、執行副社長としての職務を務めていました。PPCBank株主であるJBフィナンシャルグループ(韓国)から多くのチャンスが与えられ、経営トップとしての経験を積むことができました。
2020年の帰任後にはPPCBankのことをいつも恋しく思っていましたが、ついにカンボジアに再び戻ってくることができました。
私のみならず、PPCBankが歩んできた過去15 年間の長い道のりには信じられないほど数多くの物語があります。2008年の銀行設立以来、カンボジア国内有数の商業銀行のひとつとして、カンボジアの人々の金融リテラシー向上をサポートするとともに、それぞれのお客様からのニーズに応えながら、この国の発展に貢献することに誇りを持っています。
――コロナ禍の影響および、現在の状況についてお聞かせください。
リー 私がとりわけ誇らしく感じていることが、COVID-19パンデミックという未曾有の危機に対してPPCBankが取ることができた対応についてです。
パンデミック影響によって世界経済が減速し、根深い不安が金融市場を支配する時期がありました。その後も世界中において優先事項の見直しが進められています。
先行きの見えにくい状況においても、PPCBankは、成長する顧客基盤と進化する金融ニーズに対応しながら収益性の改善を進め、これまで以上に強靭な銀行に変革することができました。
迅速で柔軟性の高い銀行サービスを提供し続ける一方で、競争相手との差別化につながるニッチ市場を開拓していくことが、これからのPPCBankにとっての最優先事項だと考えています。
――ニッチ市場の開拓とはどのようなことでしょうか。
リー 私にとってのニッチ市場とは、既存の領域から新たな領域を見つけ出すことです。
銀行を利用する目的、理由、スタイルは人それぞれです。特定のお客様層のニーズを明確に理解できれば、カンボジア国内の他の銀行とは差別化されたサービスを提供できます。革新的なサービスは、お客様が私たちの銀行を利用する一番の理由となります。カンボジアの銀行業界にはまだ見つけられていないニッチ市場が広く残されていると確信しています。
しかしながら、たとえ魅力的で収益性の高いビジネスチャンスに巡り会えたとしても、私たち自身に適切なサービスを提供するための十分な知識や能力がなければ、その成功は私たちのものにはならず、他の誰かがチャンスをつかむことになります。
個々のスタッフの能力や経験の強化を基盤とする高いプロ意識が、PPCBankのこれまでの発展の礎を築いてきました。どの店舗窓口にも、どのスタッフにも、自信を持ってお客様にサービス提供するために十分な知識と能力を備えていることがPPCBankの最大の強みです。
2023年はPPCBankにとって非常に挑戦的な1年になることでしょう。しかし、私たちは過去2年間を通じて十分な準備をしてきました。これまで以上の成長を確信しています。
――日本人投資家やビジネスパーソンへのメッセージをどうぞ。
リー PPCBankのスローガンである「EasyBanking」には、私たちからのすべてのメッセージが込められています。
PPCBankモバイルバンキングやsmartBizコーポレートインターネットバンキングをはじめとした顧客基盤の新しいプラットフォーム開発に注力してきた一方で、顧客情報保護やコンプライアンス遵守といったリスク対策にも真剣に取り組んできました。
日本人スタッフ常駐のPPCBankジャパンデスクも早いもので10周年を迎えました。日本からの大切なお客様にとって最も身近な銀行窓口として、カンボジア国内のどの銀行よりも信頼と実績ある存在となっていることを本当に嬉しく思います。
日本からの投資は、これからのカンボジアにとっても大きな支えとなることは間違いありません。日本人投資家やビジネスパーソンの方々からのご愛顧をいただきながら、皆様とPPCBankジャパンデスクが新しい歴史を紡ぎ続けることにこれからも期待しています。