2014年12月29日
市場の傾向が確実に変わっていることです。以前はあまり洗練されておらず、イベントをオーガナイズするだけで済んでしまうほど単純なものでした。しかし今は違います。プロのサービス、そして多岐に渡るサービスが求められています。
キーラットは国際的な経験を持つ会社ですし、社内にはさまざまな国の人がいます。ほとんどはカンボジア人ですが、スペイン人、フィリピン人、シンガポール人もいます。そのため、より細かな顧客の要望に応えることが可能です。顧客に対して解決方法を提案する場合、我が社のワンストップで済むよう心がけています。
イベントを企画する場合、顧客の要望を聞き入れながらコンセプトを作っていく必要があります。時に顧客が自身のやりたいことをよくわからないまま依頼してくることがあります。その際私たちができることは、イベントのコンセプトを作っていくことです。私たちはイベントの予算を削減することができ、顧客は時間を浪費しなくてすみます。我々に対しては、イベントの内容と予算を伝えるだけで良いのです。
市場の成長とともに、人々はより面白いイベントに興味を示すようになりました。私たちは潜在的な顧客に対して狙いを定めています。彼らに対して何ができるか、何か面白いアイデアが出せないかを考えています。そこが一昔前との違いです。質の点でも、アイデアの点でも変わりました。だからこそ、キーラットがあるのです。われわれはコンセプトを作っていき、全体のアイデ アを作り出していきます。提案して指名されないこともありますが、最初に顧客ありきで、彼らが何かを求めていて、そこに私たちが提案をするのです。もちろんその提案を受けるかどうかはお客様次第です。
私たちにとっては、コンセプト管理です。つまり、考えをコンセプトにしたり、コンセプトから結論を出したりすることです。例えて言うなら、何かイベントをやりたかったり、商品や会社の広報活動であったりするわけですが、我が社はコンセプトを常に優先し企画していくのです。
イベント業では、ビジネスが急成長していかなければいけません。例えば、会社の立ち上げ時に全てのものを作るのは難しいです。少しずつネットワークも作っていかなければいけません。私たちが仕事をする度に人の輪が広がり、パートナーが増えていきます。売上を出していくためにもネットワークの広がりが重要ではないでしょうか。
基本的には他の国と同じ手法です。例えば、車の発売や展示会を行う場合、同じ手法を踏襲しました。違っているところは、カンボジアでは広報活動の考え方が浸透してないことだけです。例えば、車を発売したい場合、どうすればお客様に興味を持ってもらえるように展示できるか、強く印象付けるにはどうすればいいかについて理解していません。以前マツダのイベントを手掛けた時ですが、彼等は何か面白いものを期待していました。我々はイベント時に、サプライズを与えるようにしています。
今まで数多くの日本の企業と働いてきましたが、日本の制作会社の人たちは皆プロフェッショナルでした。とてもきめ細かく、要求水準は高いのですが、それに見合う報酬を支払います。見積もりを送っても、値切ることはありません。要求をきちんと満たせば満足されるので、私たちは日本の企業と一緒に働くのは非常に好きです。キーラットとしてはまだ数社のみですが、今まで個人的に多くの日本の企業と働いてきました。彼らはきめ細かい仕事をしてくれますし、急な路線変更もありません。企画を知ること。それがまさにビジネスというものです。
準備期間は非常に大切です。短すぎては満足できるものはできません。制作にも時間が必要ですし、フライヤーなどの印刷も必要です。ショールームのデコレーションのデザインも時間がかかります。
内容や規模によると思いますが、大きなイベント、例えばアンコールワットのイベントには半年かけました。ショールームのオープンでしたら3か月ほど必要です。本社が日本にある場合など、企画の手直しなどのプロセスに時間がかかる場合もあるためです。これは理想ですが、現実は1か月前後での依頼が多いです。イベントをする場合、我が社だけではなく、会場手配、ケータリング、セキュリティ等々、関連するものがたくさんあり、結構地味な作業になります。
私たちの願いは顧客に満足していただけることだけです。独自で手配した場合に比べても、安く上がると思いますし。私たちは各社との手配手数料を取っているわけではなく、そのすべてを一元管理することを生業としています。つまりかけた時間が報酬になるのですが、それが他社には中々できないことだと思っております。
だいたい同業他社はすべての項目で10-15%上乗せした額を提示してくるようですが、我が社では制作やプロジェクトにかける時間をベースに考えています。例えば会場手配でも、数多くの会場と仕事をしているので様々な提案ができると思うのです。ですから、私どもの会社の強みは独創的な企画提案と、コスト削減の2本柱なのです。
また、その企画にかけられる予算が無ければ先には進めません。私たちにはそのベースがあったほうが時間を無駄にせず、内容を絞り込めるからです。多くの顧客は予算なしに飛び込み、見積もりを求めますが、内容はピンキリですので毎回苦心します。そのブランドの広報がうまくできるよう最大限の効果が欲しいと思って取り組んでおりますので、それなりの予算を提示すると、「実は5000ドルしかかけられない」と返事を頂いたりもします(笑)。そうするとまた元に戻り、案を練り直すことになりますよね。お金の為ではなく、時間節約のためにも、はじめに予算を把握してほしいです。両者にとってメリットがあると思いますよ。そこが多くの顧客が犯す間違いです。嬉しいことに、日本企業の顧客はほとんどが事前に予算を提示してきますね。あらかじめ分かるので、すごくやりやすいです。(取材日/2014年7月)