カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

業界別インタビュー

参入障壁はこれから間違いなく高さを増してくる[マーケティング・メディア]石黒忠明

マーケティング・メディア

アジアリサーチインスティチュート・カンボジア
マネージングダイレクター: 石黒忠明 Tadaaki Ishiguro
アジアを中心にエリアマーケティング事業を展開しているARI(Asia Research Institute)が昨年末カンボジア法人を設立。日本をはじめ、中国各地、カンボジアなどで、大手小売企業の店長、マーケティング本部長として長い海外キャリアをもつ(代表)石黒忠明氏に、これからの市場環境について話を伺った。
カンボジアマーケットへの進出

―――自己紹介と会社紹介をお願いします

石黒忠明(以下、石黒) Asia Research Institute Cambodiaの石黒忠明と申します。社名が長いので、ARI(エー.アール.アイ)カンボジアと呼んで頂けますと幸いです。当社は日本の商業系シンクタンク、株式会社商業科学研究所のカンボジア法人です。私たちは、日本はもとより、中国各地、香港、インドネシア、マレーシア、などでエリアマーケティングのプロ集団として事業を展開しています。そして昨年末、ここプノンペンにおきまして、カンボジア法人を設立しました。

 すでに多くのクライアント様のご要望のもと、事業活動に役立つ様々な市場調査、ビジネスマッチング等を実践、経営のご提案をしています。

―――ご自身のカンボジアに来たきっかけは何だったのでしょうか

石黒 私は、昨年までイオンの社員として長く勤務しておりました。日本では大型店の店長職を何度か経験しましたが、海外勤務が長く、マレーシア、中国、カンボジアにおきまして、販売実務、大型店舗の開設責任者なども務めてきました。

 カンボジアでは、イオン第1号店の開設委員長、初代店長を務め、またマーケティング本部長兼商品部長として4年間勤務しました。

―――ARIのカンボジア進出の理由と繋がりがあるのですね

石黒 はい。私自身、カンボジアマーケットの成長性には大きな魅力を感じていましたので、帰任を機に退職を決意しました。そして、日本の商業科学研究所の一員として、ARIカンボジアを設立する運びとなりました。

 カンボジアで学んだ様々なこと、また、新たに勉強、経験したことなどを沢山の企業の皆様にお役立ていただきたいと考えております。

カンボジアで入手困難な情報でも提供可能なネットワーク

―――ARIの特長や他社との違いをお聞かせください

石黒 私たちは、Research and Systemを企業コンセプトに、最先端の科学技術をベースに豊富な専門知識と経験を加え、皆様の意思決定から日常業務までの幅広い領域をサポートしています。

 あくまでも、調査研究結果に基づいた科学的視点に立ちながら、実践的に役立てるための経験のエッセンスを加えることにより、皆様の頭脳の肩代わりをする、これが私たちの使命です。

 私たちの経営の特徴は、「調査研究部門」と「情報システム部門」を両輪とし、その上にコンサルティング機能を確立しているという点にあります。

 また、事業を展開している中国、香港、ASEAN諸国の他にも、アメリカ、ヨーロッパの最新情報まで、グローバルなネットワークを持っていますので、カンボジアで入手困難な情報でも、諸外国のネットワークを通じてご提供しています。



―――これまでの実績はいかがでしょうか

石黒 私共グループは国内外において、既に2万6000件以上のアウトプット実績(市場、競合企業レポート、事業サポート等)があり、実務経験が非常に豊富です。

 その為、非常に高い精度で、出店や事業開設に関するエリアマーケティングのご相談、商圏シュミレーション(市場情報や売上シュミレーション)、ビジネスマッチング(お取引先、お客様紹介)、カンボジア市場のご紹介(ご案内)等、様々なサービスをご提供しております。



勘と経験と度胸で成功するのは過去の話

―――ところで、今後、カンボジアの事業環境はどのように変化していくと思われますか

石黒 経済成長性、その市場環境を顧みても、カンボジアはこれからも有望な市場であると思います。しかし、様々な業種、業態において、その参入障壁は間違いなく高さを増してくると思います。

 今まではあまり専門性がなくても、日本企業であれば(ある種の)人脈や、強運にめぐまれ、何とかやってこられたと思います。しかし、そういった企業は、革新的で、先端技術をもつ他企業の参入によって、すぐに隅に追いやられる時代です。そして、専門性の高い、マーケットを理解した新規参入企業が、非常に力強くドミナントを形成し、占拠率を高めていくことでしょう。つまり、勘と経験と度胸で成功する時代はもうすぐ終わる(もう終わっている)と思います。



―――なるほど。では、カンボジアで事業展開するにあたり、今後は何が重要になってくるとお考えでしょうか

石黒 最も重要なのは、事業に必要な市場(マーケット)情報を高い精度で理解し、来るべき環境変化を予想し、時流に乗る(先取りする)適切な事業計画を立案、実践することであると考えています。一般論のようですが、実際には市場を理解せずに、かじ取りを誤り、大きな打撃を受けているケースが散見されます。

 自社(の特徴)、顧客(市場)、競争環境(競合企業)について良く理解し、事業を運営できる企業(組織)が、益々繁栄を極めていくことと思います。



―――御社のビジネスの抱負についてもお聞かせください。

石黒 本日は堅いお話ばかりになってしまいましたが、本来ビジネスは楽しい物であると思います。当社は、非常に簡単な基本調査も含め、様々なメニューをご提案しております。是非とも、お気軽にお声をおかけくださいますよう、よろしくお願い致します。


アジアリサーチインスティチュート・カンボジア
事業内容:マーケティングリサーチ
URL: https://www.csar.co.jp

その他の「マーケティング・メディア」の業界インタビュー