2015年1月6日
――ダイシン・トレーディングさんと言えば、カンボジアにおけるシェアもかなり高いと聞いておりますが、個々数年で和食レストランが次々に開業したという背景もあったのではないかと思います。そのようななかで、現在の卸売業界をどのように見ておられますか
竹田 毬(以下、竹田) 現在、卸売業のうち日本食のサプライヤーに関して言えば、10社ほどあるのではないでしょうか。弊社が創業したときは5社程度でしたので、どんどん競争が激しくなってきています。ただし、その分日本食レストランも増えていますので、市場規模も全体的に伸びている業界だと思います。数年前からイオンさんのオープンに伴う進出ラッシュがはじまりました。もちろん撤退される店舗さんもありますが、その一方で、その後も一定数の進出も続きましたし、最近は大手企業の進出なども相まって増加しています。これからも、ますます日系飲食店は拡大していくと思っています。
その中でも、弊社は日系飲食店様に対しましては、ほぼ全ての飲食店様とお取引させていただいています。また、カンボジア資本などの非日系資本による日本料理店様を合わせてましても、9割程度の飲食店様とお取引をさせていただいています。
――なるほど、凄いですね。何か扱っている食材に特長があるのでしょうか。どのような食材を扱っておりますか
竹田 2年半にスタートした当時は酒、調味料などを主に扱っていて、それらについては現在ももちろん多いのですが、徐々に品目を増やしていまして、2015年5月からは冷凍加工品も扱うようになりました。
そんななか、メーカーさんとのタイアップのお話もいただき、キューピーさん、ヒカリさん、永谷園さんなどと一緒に販路拡大の活動をしています。カゴメさんとはイオン地階フードコートにおいて、スパゲティやオムライスの店舗をやらせていただいています。
イオンさんとも良好な関係でお取引をさせていただいています。最初は小さな取引からはじまりましたが、私どもの仕事を評価いただき、任せていただく領域を増やしていただいています。
日本のメーカーさんがカンボジアで売りたいときにまず声をかけていただく存在になってきたと思います。
――なるほど。実直にコツコツと続けてこられたのが評価のポイントですね。最後に、ダイシン・トレーディングさんがカンボジアでこのビジネスをする上で一番気をつけている点はなんでしょうかお伺いしたいのですが
竹田 そうですね。一番気をつけているのはご希望の時間に届けるということです。3時から仕込みを始めるからその前までに確実に欲しいなどというご要望にしっかり応えるために、スタッフ教育なども徹底しています。また、創業以来、1品からお届けすることもこだわっています。シアヌークビルやシェムリアップのお客様から1品だけ注文が入ってもお届けします。
言い換えれば、「物が確実に届く安心感」をご提供していると言えると思います。この業界のリーダーとして、品切れはしないこと、そして、お客様が欲しいタイミングでお届けすること。そのために、お客様と打ち合わせをしっかりさせていただいて、お客様がどんな計画をお持ちなのか、どれくらい販売しようとしているのかをできるだけ把握し、また、一緒にお店を発展させていただくつもりでいます。今後ともよろしくお願い致します。(取材日/2015年9月)