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経済財政省の統計によると、カンボジアの建設ブームによるプノンペンでの過剰供給と需要下落が原因で、新規の建設は今後5年間減速が続くとクメールタイムズ紙が報じた。
同省は、建設部門における成長率が昨年19%の伸びに比べ、今年は15%の成長と見込んでおり、また来年は12.4%、2018年10.3%、2019年には10.0%と減速を予想した。
経済財政省のオーン・ポーンモニロット大臣は、「供給過剰は経済リスクの要因となり得ることから、建設部門の減速し調整に入ることはカンボジア経済にとって良いことだ」と話す。一方で、そのような状況下のなか、カンボジアが毎年7%の経済成長を享受していることを言及している。なお、来年の経済成長率は6.9%と僅かな減少が予想されている。
カンボジア不動産協会(CVEA)の会長キム・ヘアン氏は、「これまでは富裕層や中級層が投資目的で住居を購入し過剰供給が発生した。今後数年間の建設部門の成長鈍化は、業界が健全化に向かうサインであり、驚くことはない」と昨日のクメール・タイムズ紙に語った。
キム氏は、「カンボジアは2004年から2008年初め、マンションや衛星都市を建設を目的に、韓国、中国、シンガポールから入ってくる投資により第一次建設ブームが起こり、続く2008年から2010年で、第一次ブームに関与した多くが、プロジェクトの不始末で破産した。その期間は、大きな建設プロジェクトはほとんど無かった」と話す。
「その後、2010年から2012年で、中国、台湾、シンガポール、日本の投資家が、カンボジアの現地パートナーと協業して、建設業界は再び活況を呈し始め、大きなプロジェクトが開始された」と付け加えた。
また、キム氏によると、「2013年の総選挙も建設業界における重要なステップで、企業のトップや開発者が選挙活動資金を政治家に融通するため、広大な土地の売却が起こり、建設部門の活動休止があった。しかし、イオンのような巨大ショッピングモールを見越し、2013年選挙後に建設部門の動きは再び活性化した」という。
最後に同氏は、「来年の地方評議会選挙と2018年の総選挙で、開発企業などが再び政治家への資金供給目的に、土地や建物を現金化するため、建設プロジェクトは少なくなるだろう」と付け加えた。