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  • 経済
  • 2025年6月6日
  • カンボジアニュース

フナン・テチョー運河、カンボジア経済の成長エンジンに[経済]

カンダール州知事は、「フナン・テチョー運河(FTC)プロジェクトが完成すれば、カンボジア経済の成長と雇用創出の起爆剤となり、国内外の投資家を呼び込む」と述べた。6月3日にサアング郡トレイ・スラ村で住民との会合に臨んだ知事は、「FTCプロジェクトは王国にとって歴史的な成果となる」と語り、政府の取り組みに対する住民の継続的な支援に感謝を表明した。

知事は、「将来的にカンボジアは水上輸送で自立できるようになる」と述べ、政府がプロジェクトの成功に向けて不断の努力を重ねていると強調した。また、「同運河は投資とビジネス機会を生み出し、雇用を創出するほか、漁業資源の安定供給や観光促進にも寄与する」と説明した。さらに、「インフラ整備が進むことで地域の魅力が増し、住民の生活の質も向上する」と述べた。

会合では、政府間合同作業部会が運河の深さや幅、航行区域といった技術的側面の説明を行い、関連する法制度や現在の進捗状況、影響を受ける市民への補償制度についても詳細に説明した。

FTCプロジェクトは、カンボジアの水上交通網の拡充、貿易促進、地域の持続可能な発展を目的とした画期的なインフラ事業である。公共事業運輸省の報道官によれば、2025年5月末には第2セクション(カンダール州)の現地調査、データ収集、法規制確認、境界杭の設置作業が完了しており、5月17日にはプレク・ポーからプレク・タヘンに至る第1セクションの工事が開始された。次の段階では、6月3日からタケオ州との州境からカンポット州との境までの506本の杭を設置予定である。

同時に、経済財政省のチームが実施した影響評価も完了しており、公共事業運輸省およびカンダール州行政機関と連携して土地収用手続きが進められている。未爆発弾薬の除去や影響評価などの重要な手続きが完了次第、2025年末に建設が正式に開始される見込みである。

本プロジェクトは、カンボジアと中国の協力関係の象徴でもあり、契約金額は11億5600万ドルに上る。契約締結は中国の習近平国家主席の訪問中に行われ、フン・セン上院議長(前首相)およびフン・マネット首相の立ち会いのもと、スン・チャントール副首相と中国交通建設公司(CCCC)の董事長ワン・トンジョウが署名した。

FTCは、プノンペン近郊のバサック川からケップ州までの151.6キロメートルにわたり、3000トン級の船舶が航行可能な水路を整備するものである。運河の掘削、閘門(こうもん)、航行支援・物流インフラの整備が含まれており、内陸水運と地域貿易の大幅な促進が期待されている。

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