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  • 2025年4月21日
  • カンボジアニュース

カンボジア、中国と11億ドルの運河建設で合意──出資比率は51:49[政治]

カンボジア政府と中国の国営企業は、総額11億ドルにのぼる「フナン・テチョ運河」プロジェクトに関し、官民パートナーシップ(PPP)契約を正式に締結した。このプロジェクトは、プレイヴェン州からカンポット州に至る全長180キロメートルの運河を建設するものであり、メコン川とカンボジア湾を直結する戦略的インフラ事業である。

出資比率はカンボジア側が51%、中国側が49%とされており、国家主導による資本構成を維持している。プロジェクトは、国内物流の円滑化、農業・工業製品の輸送コスト削減、灌漑や洪水対策機能も兼ね備えるとされ、複数省にまたがる経済波及効果が期待されている。

契約調印式は2025年4月4日、プノンペンで執り行われた。フン・マネット首相は「同プロジェクトは国家の主権と経済発展に資する」と述べ、独立性を強調した。関係者によれば、工事は2024年中に開始され、2028年の完成が予定されている。

一方、近隣国や一部国際機関からは、メコン川流域への影響に対する懸念の声も上がっている。これに対し政府は「必要な環境影響評価(EIA)を実施し、持続可能性に配慮して進める」としている。

また、出資比率に関してはカンボジア側が過半を保有するものの、過去のインフラ案件との類似性や、同国の国家予算規模との対比から見て、実際に51%分の出資をカンボジアが全額自己資金で負担する可能性は低い。

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