カンボジア政府は、電子請求書(e-invoicing)システムを導入し、2024年中にも企業間取引(B2B)での義務化を目指している。現在は政府と企業間(B2G)の試験運用段階であり、透明性と効率性の向上を狙っている。
財務省デジタル経済総局の担当者は、「このシステムは売り手と買い手の間で電子請求書を転送、識別、検証する情報システムであり、紙の請求書を必要としない」と話し、「税規制の順守を促進し、ASEANデジタル経済への統合を進めるツールでもある」と付け加えた。
現在の段階ではB2Gの登録が開始されたばかりであり、試験運用の成果を監視しながら進められている。政府は2024年中のB2B義務化を目指しているが、確実に3年以内には実現する見込みだ。その後、消費者向け取引(B2C)への展開も視野に入れている。
電子請求書の導入は、予算管理や記録管理の簡素化につながると期待されており、プノンペンの食品店経営者の一人は、「既にモバイルアプリを活用した取引の利便性を実感している」と述べた。
しかし、この新システムには法的枠組みの整備が必要であり、知的財産権を専門とする弁護士は、急速に進むデジタル化に法制度が追いつく必要があると指摘している。
欧州ではB2G電子請求書が2019年から義務化されており、B2Bも2026年1月から義務化される予定だ。カンボジアの電子請求書システムは、地域経済のデジタル化と統合を目指す一環として注目されている。