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業界別インタビュー

2018年7月13日

未来にフォーカスしたサービスを提供 [法務・税務・会計]西山将太郎(写真左) 安藤朋美(写真右)

法務・税務・会計

東京コンサルティングファーム
ダイレクター HR コンサルタント: 西山将太郎(写真左) 安藤朋美(写真右)
カンボジアでは法令やシステム整備が発展途上の場合も多く、進出を検討する際にはスムーズな事業運営を支えてくれるプロフェッショナルが必要となる。世界27カ国に拠点がある会計事務所系コンサルティング会社の東京コンサルティングファーム。カンボジアの会計事情に精通した、西山氏と安藤氏にカンボジアの税務・会計・制度に関する話を伺った。
財務データから「未来」にフォーカスしたサービスを提供

―――まずは自己紹介をお願いします

西山 翔太郎(以下、西山) 1月から東京コンサルティングファーム・カンボジアオフィスに赴任しております西山です。現在、日本企業の海外進出コンサルティングから、カンボジア現地での会計・税務を中心に、人事労務まで幅広く皆様の経営サポートをさせていただいております。

安藤朋美(以下、安藤) 安藤と申します。今年4月より赴任してまいりました。これまでは、日本でマネジメントを主に勉強していた大学生です。まだまだ未熟ではありますが、日本の本社で研修を受けて赴任し、カンボジアにある企業のお困りごとにフォーカスして、人材面、人事面から全力でサポートしてまいりたいと思っています。

―――東京コンサルティングファームの特長ついて教えてください

西山 弊社の特徴として、カンボジア進出検討段階の市場調査、フィジビリティスタディから法人設立、設立後の会計・税務業務、法務、人事制度構築や人材の確保・紹介までを、ワンストップサービスとして心がけており、企業がカンボジアに進出する際に必要なサポートに関して、ほぼ全てのサービスを提供することができます。

 特に会計業務を得意としており、会計コンサルティングという、企業の財務諸表作成といった「過去の結果」ではなく、財務データから「未来」にフォーカスしたサービスを提供しております。弊社をお客様の財務担当として機能させていただくことにより、会計に基づいた様々な情報を提供し、会計だけではなく経営のサポートもさせていただいております。

―――進出する企業が増える中、撤退する企業も出てきていますが、経営のサポートをしてくれるのは心強いですね。その辺りが他社との違いと言って良いのでしょうか。

安藤 そうですね。また、日本からの進出のみではなく、他国からのカンボジア進出や、カンボジアから他国への進出をサポートしております。東京コンサルティンググループは27カ国44拠点にオフィスを構えており、これまでに各国ごとの海外投資の「赤本」を出版してきました。また、近年では、「赤本」を「Wiki Investment」にデータベース化し、オンライン上で各国の情報を包括的に閲覧することができます。

 日本本社との強い連携により、進出する企業様のサポートのみではなく、本社と支社の抱える連携のギャップを理解し、その解消のため各国事情を鑑みた人材の紹介や人事制度構築といった観点からサポートさせていただいております。人材の紹介については、日本や他国からのあらゆる人材を紹介することが可能です。

労務や会計を一つとして活用していくことが重要

―――続いて、会計や税務といった業界を取り巻く環境についてお伺いしますが、カンボジアでビジネスを行う際の留意点はありますか

安藤 カンボジアへの進出において、カンボジアのリアルタイムな状況の変化を知っている必要があります。近年では、縫製業、被服業及び製靴業に従事する労働者における最低賃金が年々増加してきております。また、中国系企業の進出が盛んとなっており、今後、より経済面において制度が取り締められていくことが予想されます。そこで、日本で収集できる情報は時として過去の情報になってしまい、進出の際にトラブルが起きかねません。なので、現地のニュースサイトや専門機関の発信する情報をよく精査する必要があります。

―――情報の精査は大事ですね。進出後の企業は、その辺りについて、きちんとキャッチアップしているものなのでしょうか。また制度と実務に違いはありますか

西山 カンボジアでは法律と実務が乖離している現実があり、得た知識全てがそのまま使えるかどうかも疑わしいものになります。税務や労務は、如何に政府機関に文句を言われないか、目を付けられないようにするか、といったリスクとの戦いの道具になっています。毎月作成する財務諸表に関しても、本来は毎月の結果から未来の計画へ繋げる重要な意思決定ツールであるはずが、いつの間にか政府や監査人が納得する形で作成するというネガティブな視点になる傾向があります。それでも、進出直後の企業にとって会計税務にかけられるコストは決して高くはありません。低コストで経験の浅い経理担当者を雇って業務を進め、結果として数年後の監査や税務調査等で会計原則からの乖離や計上漏れ等を指摘され、莫大な追徴金を請求されるケースも多くあります。

 会計税務や労務といった専門的業務は、リスク回避のためだけではなく未来につながる形で積極的に専門家を活用していくことが重要となります。

―――なるほど。専門家から直接的に情報のアップデートを受けることが確実で安心ですね。実際に御社ではどのようなサポートをされていますか

西山 カンボジアは一般的にはまだまだ所得が低い国であると思われがちですが、賃金も年々増加傾向にあり、また意外と物価が高くなかなか利益が出にくい環境ともいわれています。ですので、多くの会社で利益を出すことに苦労しているという状況が散見されています。そして、利益が出せていないにもかかわらず、賃金などの労務関係費用が上昇し、さらに利益を圧迫するという悪循環に陥ってしまう環境になっています。

 そのような環境の中で、適切な人事評価制度等を導入から適切な労働関係費用を設定し、そこから利益や売上の目標を設定するといった、労務や会計を一つとして活用していくことが重要となります。会計を税金計算や税務リスク回避のみに使うのではなく、会計・税務・労務を一体のものとして捉え、利益を出していける体質作りをサポートいたします。

会計を意思決定ツールとして活用し、戦略を持った経営を

―――では、最後に進出する企業へのメッセージをお願いします

西山 カンボジアに進出する企業は、まず事業に注力してしまい、必然的に管理機能にかかるコストを削減したいという思惑から、会計周りの管理に費用などを割かない傾向が出てきます。しかしながら、カンボジアの経済的発展が今後も進んでいくことも事実であり、市場もますます活発化していくものと予想されています。軽視されがちな管理機能を盤石にして、会計を意思決定ツールとして活用し、戦略を持った経営を行うために、安藤、弊社スタッフと共にご支援させていただきます。

安藤 弊社は、拠点長の交代、私の赴任と、4月より新体制となりました。多くの企業をサポートするため、今後、カンボジアオフィスをさらに強くしていきたいと思っております。新体制だからこそ、新しい風を吹かせ、より多くのお客様のお困りごとへフォーカスできる体制へと邁進しております。進出の苦労を分かち合い、お客様のお困りごとに共感し、解決して、カンボジアでのビジネスを成功させるために全力でサポートさせていただきます。


東京コンサルティングファーム
事業内容:会計事務及び会計サービス
URL: www.kuno-cpa.co.jp/tcf/cambodia/

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