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業界別インタビュー

2018年1月19日

カンボジアにおいてニューメディアはパワフルなツール[マーケティング・メディア]チー・セラ(2/2)

マーケティング・メディア

サバイデジタルコープ SABAY DIGITAL CORP.
CEO: チー・セラ Chy Sila
カンボジアで毎月2000万のページビュー数と250万の訪問者数を誇るクメールサイトのサバイドットコムを運営する。その他にも最新のデジタルテクノロジーサービスの提供で話題を呼んでいるサバイデジタルコープのCEO、チー・セラ氏に、カンボジアにおけるメディア業界について伺った。(取材日:2017年8月)
地方に着目したプロジェクトを実施

前回の続き
――カンボジア人のインターネット使用状況について教えてください。

チー・セラ(以下、チー) 弊社のデータベースによると、弊社ユーザーのうち70%がプノンペン在住者であり、地方からのアクセスはたった30%となっています。

 しかし、インターネットにアクセスできても、ニュースを得る方法を知っているわけではありません。またスマートフォンを使用していても、オンラインは使用しない、インターネットの使用方法を知らないという人もまだ多くいます。カンボジアのスマートフォン定着率は非常に高いものの、全員がインターネットを使用できるわけではないのが現状です。

 しかしインターネットに対する教育が行われていく中で理解も次第に深まっており、市場は成長を遂げていると考えられます。また、インターネットの使用方法を知らない人であっても、多くはフェイスブックの使い方を知っています。フェイスブックのアカウントを所持していれば、ニュースへのアクセスも可能で人々と繋がることが出来る。これがカンボジア特有の動きです。

 また、カンボジアにおけるインターネット普及をもたらしていると考えられるのが、通信料金の安さです。カンボジアは通話料金は高いものの、データ通信料金は非常に安いのが特徴として挙げられます。そのためメッセンジャーやライン、ウィーチャット、ウェイボー等を使い通話し、ネットワークを介した固定電話の使用は減少しています。

 都市部だけでなく、地方でも同様の傾向が見られるようになっていますし、今後更に伸びてくると感じています。


――地方の人々を取り込むために、御社が実施していることは何でしょうか?

チー 弊社では地方に着目した取組みとして、“ロードホーム”というプロジェクトを毎年行っています。弊社の主要ユーザーはプノンペン在住者ですが、元々プノンペンで生まれ育った人は少なく、ほとんどが地方からの移住者です。そのため、地方、村に対する関心も高いと考え、着目しています。

 同プロジェクトでは、カンボジアの各州でウェブサイトのプロモーションとしてインタビューを行い、弊社ウェブサイトに各地域からの情報を掲載します。昨年は、地方の文化、食べ物、方言、歴史などについての特集を行いました。地方によって料理の辛さや方言が異なるため、カンボジア国民が自国について知る機会となるように、同プロジェクトを開催しました。

 来年2月に次のプロジェクトを実施予定で、プロジェクト後には地方で撮影した写真の展示会も行う予定です。

 同時に、地方の人々に当ウェブサイトを知ってほしいという狙いもあり、地方へのプロモーションの一つとして実施しています。

ニューメディアのパワーを認識するようになっている

――同業界に関して、ここ数年間でどのような変化を感じますか?

チー 私がIT 業界に参入してから10年間、インターネット業界は非常に進化しています。

 5年前の2012年から2013年にかけてスマートフォンの購入が容易になり、人々のインターネットを使用した動きが格段に広がりました。かつては会社用のコンピューター、デスクトップが主流で、私用でインターネットを使用する人は見られませんでしたが、スマートフォンの普及によりインターネットへのアクセス方法も劇的に変化しています。携帯電話の購入価格も200ドルを下回るようになり、特に携帯事業会社の競争激化により、更に価格が劇的に低下していきました。

 インターネットの普及により、この業界には多くのビジネス機会がもたらされています。ソーシャルメディアは現在、ビジネスにおいて活用されるようになっています。人々はソーシャルメディアのパワー、ニューメディアのパワーに対する理解度を深めており、企業の広告媒体としても主流になってきています。かつてはテレビ、新聞、雑誌、ラジオといった伝統的メディアに広告予算をつぎ込んでいましたが、ニューメディアにシフトするようになっています。当社は現在、地元企業から国際企業など、200社以上の企業に広告サービスを提供しています。

 また、電子商取引の漸進的成長と商品の販売を通して、ファイスブックのアカウントやオンラインを使用した商業ビジネスへの認知が拡大しています。同ツールは現在、宣伝とブランディングの手法にもなっています。

 カンボジアは成長が早く、他国が踏んできたあらゆるステップをスキップしている部分があります。個人的見解ですが、今後数年後にはソーシャルメディアの商業化がマジョリティとなり、更に支払い、決済、電子バンキング、取引といった場面にもスマートフォンを使用するようになっていくと思っています。今でもPipayやWING等を通してスマートフォン決済を行う人が増えていますが、非常に便利で、価格も安いです。

 開発の最後のフロンティアとされるカンボジアは、テクノロジーにおける開発は乏しいと感じています。大企業はカンボジアが持つ人口の多さ、ビジネス利益に着目し進出しています。弊社はローカル産業に重きを置いたビジネスを行い、彼らの動向を理解しているため、カンボジア進出を行う大企業の戦略開発にも貢献しています。


――今後の事業展開について教えてください。

チー カンボジアは長い間、内戦、貧困といった苦しい時代を過ごし、私の親の世代も私の世代も貧しい環境で過ごしました。そのため、弊社のミッションは、カンボジアの人々を幸せにすることです。だからこそ、政治や紛争といったバッドニュースの記載は避け、ポジティブなコンテンツ作成を心がけています。

 先ほど話した通り、携帯電話は支払いにおいてパワフルなツールとなり得ると思います。電子商取引はまだカンボジアにおいて成功事例が無く、チャンスにあふれています。弊社でも電子商取引を開始し、オンラインで海外の商品を注文し、海外向けに国内商品を販売できるようになるなど、このビジネスを通して人々にユニークな経験を提供したいと思っています。

 また、弊社は映画配給事業にも参入し、テレビ用のローカルドラマや映画作成も行っています。カンボジア版のNet Frixともいえるビデオオンデマンドサービスも開始しました。引き続き人々を幸せにする創造性を持ったコンテンツ、ポジティブな商品の開発に取り組んでいきたいと考えています。(取材日:2017年8月)


サバイデジタルコープ SABAY DIGITAL CORP.
事業内容:メディア・マーケティング
URL: http://news.sabay.com.kh/
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