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業界別インタビュー

2018年7月18日

役割と責任の明確化が必要 [人材・コンサル] 大西義史 (1/2)

人材・コンサル

CJCC カンボジア日本人材開発センター
チーフアドバイザー: 大西義史 Onishi Yoshifumi
会社勤務時代から人材育成の重要性を感じ、定年退職後 日本の途上国での人材育成ミッションに共感し、カンボジアを訪れたという大西氏。日本ではホンダでITシステムの構築に携わり、組織運営を学んだ。自身のグローバル企業での経験を活かし、CJCCを、存在が期待される組織にしたいと語る同氏に、CJCCの取り組みや哲学、人材育成への想いを語っていただいた。(取材日2018年4月)
適切な産業人材を供給できる組織に

――自己紹介をお願いします

大西義史(以下、大西) 日本では本田技研工業株式会社で、学校卒業後から定年退職まで勤めました。定年退職したのは2015年12月です。第二の人生は仕事をするなら人材育成に強く関わりたいと考えていた折り ご縁が有りCJCCの存在を知りました。
 CJCCの仕事が途上国の方の夢を育て実現の後押しをするという内容だったため、興味を持ったんですよね。その後2016年の3月に一度現地を見てみようとカンボジアを訪れ、施設見学や職員・関係者の方々にお会いしました。
 その時に、ちょうどCJCCで就職フェアが開催されていて、学生や企業、CJCCの皆さんと話をする機会を得る事が出来ました。学校の施設もまだ充実しておらず、日本に比べて恵まれない環境。しかしそんな中一生懸命勉強している若者たちに触れ、出来れば定年退職後ゆっくりしようと思っていたのですけどね。現地の方々と一緒に悩み考えて、共に成果を上げたいなと思いました。


――組織の紹介をお願いします

大西 CJCCはカンボジアの王立プノンペン大学の1センターでありカンボジアの政府関係機関です。産業人材の育成を目的に事業主体はカンボジアで、JICA、国際交流基金が協力し運営しています。またCJCCの運営経費の一部をJICAや国際交流基金が負担しています。今後もカンボジア、日本双方のメリットが出るようお互いに協力をしながら、カンボジアの経済発展を牽引する優れたビジネスマン、あるいは企業家を創出するというのがミッションです。
また、カンボジアに進出する日本企業に対しても、適切な産業人材を供給できる機能を更に強化したいと考えています。

――現在、生徒は何名いらっしゃるのでしょうか

大西 昨年度の日本語コースは49コース、964名。ビジネスコースは30コース、1339名の学生がいます。2日間や半年間など、コースの期間設定は様々で、企業に出かけて研修するコースや、起業家コース、日本式経営を学ぶコースやお客様のニーズを伺ってテーラーメイドで研修内容を創りこむプログラムもあります。
 文化交流でいうと、今年2月に開催された絆フェスティバルは2万3000人の参加者があり、7月の七夕フェスティバルで3500人の参加者を見込んでいます。目的は、カンボジアと日本の文化交流を通して民族のお互いの価値観を理解し、より強い相互信頼を築くことです。

その人たちを教育する前に、その人たちを理解しなければならない

――カンボジア人材を教育する上で心がけていることは何ですか?

大西 はじめに、私は日本式経営の全てが良いとは限らないと思います。例えば植物の種のように、日本の種をこちらに持ち込んでも風土が合わずうまく育たないケースがあります。経営の仕方も同じで、日本式経営もカンボジア人の国民性に合わせてアレンジされなければならない。それにはまずカンボジアの人たちを理解しなければなりません。
 現在、カンボジアでは徐々に報連相の概念が広まっていますが、形だけで実際に上手く機能していない場合が多いです。原因は報連相の一方通行化と報連相後のアクションの弱さです。
 多くのカンボジア人は、報連相は部下から上司に一方的にすることだと思っています。しかし本来、報連相は双方性的なものです。仕事を依頼する上司は部下を教育し、失敗を避けるための情報を提供します。そして、部下は働いている途中状況を上司に報告し、上司は必要なアドバイスを行います。しかし、多くの場合、上司から部下への仕事の丸投げや、下から上の報連相の一方通行化が多いと思っています。
 また、報連相をした後のアクションが大事で形だけの報連相に何の価値はありません。

次回へ続く


CJCC カンボジア日本人材開発センター
事業内容:人材育成事業
URL: www.cjcc.edu.kh
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