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業界別インタビュー

2018年7月20日

破壊的イノベーションが起きている[通信&IT] ポール・ブランシュ・ホルゲン閣下(2/2)

通信・IT

イージーコム  Ezecom
CEO: ポール・ブランシュ・ホルゲン閣下 Okhna pail Blanche-Horgan
インターネットサービスプロバイダ(ISP)のリーディングカンパニーとして、法人顧客基盤を拡大しているイージーコム。ミャンマー・タイ・カンボジアを結ぶ光海底ケーブルの建設計画をいち早く立ち上げ、世界からも注目を集める。競争が激化している業界の環境や提供しているサービスなど、CEOのポール・ブランシュ・ホルゲン氏に伺った。(取材日:2018年4月)
外資系顧客は、より大きな帯域幅、レベルの高いサービス、その他特別な個別対応を要求する傾向

――現地の顧客と外国の顧客の間に違いはありますか?

 通常、地元顧客も外資系顧客もニーズは同じですね。彼らのニーズとは、品質、スピード、信頼性、セキュリティ、サポートです。
しかし、外資系顧客は、わずかに異なるサービスを探す傾向にあることも事実です。 たとえば外資系顧客は、ビジネスに応じてですが、より大きな帯域幅、レベルの高いサービス、その他特別な個別対応を要求する傾向があります。

 一方、地元顧客は一般的に中小企業であり、帯域幅とカスタマイズの必要性は低いです。また、外国のお客様とは、効果的なコミュニケーションのため、バイリンガルまたは3カ国語対応のスタッフでよりきめ細かな対応をする必要があります。

――カンボジアの通信IT業界の現状を教えてください

 世界的に見ると、ICTは非常に動きの速い業界です。カンボジア、そして世界はデジタル化の途中にあり、この時代がどうなるかを予測することは難しいですね。

 研究に基づくと、カンボジアの人々は、新技術に対し非常にオープンで受け入れやすいといえます。過去10年間で、インターネット、スマートフォン、ソーシャルメディアが目立つようになり、カンボジア社会のあらゆるレベルで大きな変化が見られました。 現在は、オンラインビジネス、アプリサービス、キャッシュレス支払いなどが至るところで現れ、破壊的ともいえる新しい変化がカンボジアで起こっています。

ICTシステムの高度化により、言語の壁が障害に

――カンボジアの通信IT業界の問題点を教えてください

 カンボジアは、我々を含む主要企業からの継続的な物理的投資で、適切なICTインフラストラクチャーを維持しています。また、業界を監督する規則や規制機関もあり、先ほど言ったように、新技術に開放的で受け入れやすい性質です。

 一方、ICT進化における障害を挙げるのであれば、一つは、言語の壁です。 カンボジアはアセアン諸国と比較して、英語能力のある人の割合が低いです。システム自体の高度化により、クメール語しか話さないユーザーが、システムを理解し、十分に活用し、最終的にサポートするようになるまでは難しいでしょうね。

――通信・IT業界の今後の見通しを教えてください

 何かを "予測"するべきではないと思っていますが…カンボジアのICT業界は着実なペースで成長し続けると思います。世界に目を向けると、スマートライフからバーチャルリアリティにいたるまで、また新たなイノベーションが起こり始めるでしょう。 カンボジアの人々は、適応、学習、採用するスピードが早く、ICTの将来についてはポジティブに考えています。

先を見据え、強固な製品開発チームを擁する

――会社の展望を教えてください

 イージーコムは、カンボジア市場で堅調な地位を維持しており、新たなイノベーションを投入するには良い立場にあります。デジタル業界は、絶え間ないイノベーションの結果、新たな問題やニーズが起こり得るでしょう。そんな問題や要求に対するサービスやソリューションの開発に、我々は先を見据えて、強固な製品開発チームを擁しています。

 そんな我々の努力と品質への取り組みを通じ、イージーコムは10年以上前から今日まで存在しています。今後も長期にわたり成長し続けると確信していますね。


イージーコム  Ezecom
事業内容:カンボジア財閥ロイヤルグループ。国内最大手プロバイダで、唯一のISO認証を受けている。国内に光ファイバーネットワークを保有しており、個人&法人向けインターネットパッケージを提供。24時間365日サポートのヘルプデスクあり、英語・中国語・クメール語対応可。
URL: https://www.ezecom.com.kh/
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