2017年7月7日
(前回の続き)
――今後も海外旅行を増えていく流れでしょうか
アンディー・コンフン(以下、アンディー) 2001年に会社を立ち上げ、最初の4年間はビザの取り扱いや、航空券の手配、国内旅行を行ってきました。国内旅行ではモンドルキリ、ラタナキリ、シェムリアップ、コッコンへの旅行がとても人気がありました。その後、2005年に私たちはベトナム、タイ、香港、マレーシア、北京へのビザのプロモーションを行いました。その後ツアーパッケージに力を入れ始め、旅行先も韓国、日本、ドバイ、ヨーロッパと増えていきました。
現在ではさらに遠方に広がりニュージーランド、アメリカ、ヨーロッパ諸国、イングランド、スコットランドもカンボジア人にとって人気の観光地になっています。現在カンボジア人海外旅行客の多くがより、カンボジアから遠く離れた旅行先を選ぶ傾向が強くなってきています。
――カンボジア人観光客は団体旅行が好きと聞いたことがあります。実際いかがですか
アンディー その通りです。どのくらい離れた場所に旅をするかにもよりますが、カンボジア人は家族旅行を大切にする傾向があります。
中華系カンボジア人で富裕層の人々は、1年間に3,4回は海外旅行をしますが、その時にはお金にいとめをつけずに家族と一緒に旅をします。すでに仕事をリタイアした年配の方が中心となってお金を出し、家族で旅行するということが多いそうです。若年層の人々は自由な時間が多いのでより多く旅行に出かけようとしています。
――カンボジア人が旅行するシーズンはいつですか
アンディー 国内旅行に限れば、雨季と乾季があるので、ハイシーズンとローシーズンが2極化しています。雨季の間は旅行者は減少しますし、乾季には旅行者が増えます。
海外旅行に関して、カンボジアでは1年間で新年、プチュンバン、水祭、クリスマス、中華正月、カンボジア正月など大きなホリデーシーズンが数多くあり休暇を利用して旅行する観光客が多い傾向にあります。日本と違って学校の夏休み時期に合わせて旅行するということはありません。
――カンボジアの旅行業界の現状について教えてください。
アンディー 現在、カンボジアでは国内線・国際線ともに航空会社の参入が相次いでいます。今年もさらに増える見込みで、今後プノンペン・シェムリアップでは新たな空港建設のプロジェクトもあります。新規参入が増え、航空各社の競合が進み、航空運賃はより安くなるでしょう。そうすると、海外からの観光客がカンボジアを訪れやすくなるだけではなく、カンボジア人海外旅行客もその恩恵を受けて、安価に飛行機を利用した旅行ができるようになります。
すでにタイはもちろん、中国の海南島、台湾に向けては新たな航空会社が参入することで価格が非常に安くなっていて、多くのカンボジア人旅行客が利用し、毎日ほぼ満席の状態が続いています。
カンボジア人の日本旅行への関心は高まり旅行数は増えていますが、今後はこういった新たな旅行先との競合が起きてくるでしょう。競合によって多くのカンボジア人にとって海外旅行の選択肢が広がり、より身近になってくると考えています。
私たちの会社には「your drastic quality and services」というスローガンがあります。私たちの主な顧客層は富裕層の人々ですが、私たちは旅行商品のクオリティーを重視し、旅行商品の研究開発を進め、カンボジア旅行業界に「クオリティー」をもたらし続けたいと考えています。(取材日/2017年1月)