カンボジアのアンコール遺跡群における中国人観光客の訪問者数が、2025年1月から5月にかけて前年同期比で30%増加したことが、国営アンコール・エンタープライズの報告により明らかとなった。
報告によると、該当期間中にアンコールを訪れた中国人観光客は4万3193人であり、2024年同期の3万3292人から大きく増加した。中国は、アメリカ、イギリス、フランスに次いで、アンコールを訪れる外国人観光客数で第4位の出身国となっている。
総計では、171の国と地域から52万7577人の外国人観光客が訪れ、チケット販売による収益は2450万ドルに達した。
プノンペン王立大学国際関係・公共政策研究所の講師は、「2025年がカンボジア・中国観光年に指定されたことで、中国人観光客のアンコール訪問が大幅に増加することが予想される」と述べた。また、「この増加は、両国間の協力強化、広報キャンペーン、直行便や団体旅行パッケージによる利便性向上によって後押しされるだろう」と語った。
一方、太平洋アジア観光協会(PATA)のカンボジア支部会長は、「中国人観光客はカンボジアの観光業において極めて重要な役割を果たしてきた」とした上で、「カンボジア・中国観光年2025は、観光と人的交流の活性化に向けた重要な前進である」と語った。
アンコール遺跡群はカンボジア北西部のシェムリアップ州に位置し、総面積は401平方キロメートル。1992年にユネスコの世界遺産に登録され、カンボジアでも最も人気のある観光地である。9世紀から13世紀にかけて建立された91の古代寺院を擁している。