2017年7月7日
――旅行会社WORLD POP TRAVEL & TOURについて教えてください
アンディー・コンフン(以下、アンディー)WORLD POP TRAVEL & TOURは2001年に設立され、はじめはタイ、中国、ラオス、ミャンマー、インドネシアなどアセアン諸国渡航のためのビザ手配を数名のスタッフで始めました。本格的にアウトバウンド(カンボジアからの海外旅行)のツアーを始めたのは2009年で、現在では日本、欧米、中東など世界18各国への海外旅行ツアーパッケージも販売し、会社設立から15、6年で現在大きな成功を収めています。
――社内での役割について教えてください
アンディー 私は、ツアー・マーケティングディレクターとして、会社全体の海外旅行オペレーションチームを任されています。加えてツアー商品の開発やマーケティング部の責任者でもあり、広報の一部も担当しています。
ご存知の通り、ツアー商品の研究開発は非常に重要です。私たちは従来通りのツアーに固執することなく、様々な場所を実際に旅して、研究調査を行い、市場に新たな旅行商品を送り出さなければいけません。年々カンボジア人の海外旅行者は増え続けており、旅行者のニーズも多様化しています。近年ではカンボジア国内の旅行を見直すべく国内での研究調査も行っています。
旅行者が求める新しい旅行先を提案し続けなければならないのです。現在私たちは世界各国への20種類のツアーパッケージを提供していて、現在のニーズは十分に満たしていると思いますが、新たな旅行先を増やしていかなければ今後の競争には勝てないと考えています。
――カンボジア人の海外旅行者の主な旅行先はどこですか
アンディー 人気のある旅行先の第1位はタイです。タイのバンコクがカンボジア人海外旅行者のナンバーワンの渡航先となっています。買い物やレクリエーション、テーマパークなど様々なものが楽しめ何よりも価格が安いことがその理由です。そしてパタヤ―のようなビーチリゾートもあります。バスを貸し切って陸路からタイへの旅行を行った場合、同じ隣国でもベトナムやラオスなどの他の国と比べても費用が抑えられるということが最大の理由です。
またレジャーだけではなく、医療ツアーや医療検査・医療処置といった形で何度もタイを訪れる人が多いです。
第2位の旅行先は香港です。カンボジアに中華系や華僑が多いのも理由ですが、私たち旅行会社では、主にビジネスやショッピングを目的に毎週香港に定期的に向かう利用者が多いです。香港ディズニーランドなどのテーマパークやショッピングセンターでの買い物を目当てに香港を選ぶことが多いようです。ホリデーシーズン毎に何度も訪れる旅行客が多いですね。
そしてそれにが韓国、中国の北京、日本が続きます。最近ではヨーロッパへの旅行も人気が出てきています。香港、日本といった国へは1回ではなく2、3度と訪れるリピーターが多いですね。
――旅行先としての日本はどうでしょうか
アンディー 日本へのツアーもタイや香港と比べるとまだ多くはありませんが、将来的には増加すると予想しています。私たちの旅行会社では2つのパッケージツアー、大阪・京都から富士山を訪れ、東京で買い物をするといったいわゆるゴールデンルートを訪れるツアーと、もう一つが北海道です。
実は北海道へのツアーが私たちの会社で行ったはじめての日本向けのツアーで、私自身も2組の団体旅行客にアテンドして訪れたことがあります。東日本大震災の後はしばらく日本向けのツアーが止まっていた時期もありましたが、需要が多かったため1年半後にツアーを再開しました。
まだまだ数は多くはありませんが着実に日本を訪れる旅行客は増えています。北海道に関しては「Japan Day」というプロモーションを実施し、北海道を訪れる人も増えました。今後は北海道のプロモーションを行わずに、ゴールデンルートのプロモーションを強化する予定です。私たちカンボジア人にとって日本はとても魅力的な国で、多くの人々が行ってみたい場所として挙げます。北海道へは直行便がないので不便ですが、冬季に雪と温泉目当てで北海道を訪れる人は多いです。
日本への旅行はとても魅力的ですが、カンボジア人にとって高価なものなので、まだ身近な旅行とはいえないかもしれません。日本は四季の変化も楽しめるので桜の季節、北海道のラベンダー畑や冬のスキーなど1年間で何回も訪れることができる場所だと思います。
私たちが日本での滞在で重要視しているのは、おもてなしなどのサービスや滞在時における満足度で、旅行内容やサービスのクオリティーがセールスポイントになっています。長期的な視点から見ると日本への旅行客はこれからも増え続けると思います。(取材日/2017年1月)
(次回へ続く)