2018年12月12日
――自己紹介をお願いします
カンボジアに来るまでは、日本の広告媒体の会社で16年間働いていました。自分が住みたい国でビジネスをしたいと思うようになり、バックパッカーの経験からカンボジアが1番居心地が良かったので、2013年にカンボジアへ来ました。元々は広告業とは全く違うことをやろうと思い、お弁当の宅配を始めましたが、紆余曲折あり自分が今までやっていた広告業の方がよりお役に立てると思い直し、今は広告代理店としてビジネスをしています。「クーポンキング」というクーポン情報のウェブサイト運営とフリーペーパーの発行、イベントやプロモーション企画、デザイン印刷業、デジタル関連などを現地企業向けに行っています。
――御社の強みについて教えてください
自分自身ずっとカンボジアの前線でやってきているので、カンボジア人を動かすことや、カンボジア人へのマーケティングに関しては、色んな引き出しを持っていることだと思います。あとは、なかなか思い通りにいかないカンボジアの環境の中で、打ち合わせから仕上がりまでの過程をグローバルスタンダードでできることですね。
――クライアントはカンボジア人がほとんどですか
少し前までは、カンボジアの会社が50%、外資系が25%、日系企業が25%でしたが、最近は日系企業が増えてきており、30%から40%を日系企業が占めています。カンボジアに進出する日系企業が増えてきているということだと思います。
――日系企業がカンボジアに進出する際に、自分たちを認知してもらうにあたって留意すべき点について教えてください
自分たちがカンボジア人の誰に向けてマーケティングをするのかを明確にすることですね。日本は中間所得層が多いため一定のアプローチをすればそれなりの分母に対してマーケティングをできるのに対し、カンボジアは富裕層から低所得者層までのピラミッドが非常に大きいので、どこの層をターゲットにするのかで全くアプローチの仕方が変わってきます。
また、カンボジアへ進出する日系企業によく見られるのが、カンボジアにない日本の製品をするに売ろうとすることです。でもこれはすごく遠回りなやり方で、宣伝だけして終わってしまいがちです。価格も合わなくなってしまいます。資金があるのであればいいですが、限られた資金でやるのに1番効率が良いのは普段カンボジア人が買っているものを売ることです。たとえば、カンボジア人へ朝食を売ろうと思ったら、クイッテイゥ(麵)やバイサイッチュルック(豚飯)をいい立地のところで売ればそれなりに売れると思います。その上で清潔さ、管理方法、接客、デザイン、経営などを日本クオリティにすることで、マーケットは広がっていくと思います。日本の物を売るのではなく、日本式を入れていくというイメージでしょうか。
――御社のバイラルマーケットについて教えてください
弊社ではインフルエンサーとメディアを軸にしてバイラルマーケティングをしています。インフルエンサーに商品を使ってもらって、それをフェイスブック上で宣伝しています。他にも口コミをもっと広げるためにテレビやネットニュースなどに取り上げてもらっています。このマーケティングが成り立つのは、広告の内容を信じているカンボジア人が圧倒的に多いためです。しかし、カンボジアの経済の成熟と共にこの割合は減ってくると思うので数年後には今のやり方を変えていかなければいけないと思います。
――これからの展望をお聞かせください
スタンディングオンザブリッジとしましては、既存のお客様に対して満足して頂けるようなサービスを実直に提供し続けることです。2、3年後のビジョンを描くよりも、今いただいている仕事をしっかりやりきることで、カンボジアの成長と共に成長できると信じています。私自身の今後に関しては、新しい領域に挑戦したいです。BtoCビジネスや、田舎でのビジネスなど、少しまた、広告業界とは片足外して楽しいことを増やしていきたいです。