2018年12月3日
―――現在の御社について教えてください
開業5年を迎えたカンボジア初の日系日本食材卸企業です。プノンペン本社及びシェムリアップに支店があり、日本人社員3名を含む31名体制でカンボジア各都市へのお届けを行っています。主に日本及びタイやベトナムなど近隣国から食材を輸入し、販売しています。
―――前回のインタビューにて、バベット州とバッタンバン州が注目すべき市場と伺ったのですが、1年で何か変化はありましたか?
レストランや日本食材を扱う店舗は増加傾向にあり、形態も多様化しつつあります。その中で出店エリアも拡大しており、現在ではバベット州に2店舗、バッタンバン州に1店舗と増加傾向にあります。加えて、シェムリアップやシハヌークビルエリアなどにおいても店舗数は増加しています。
―――日本食が以前と比べてカンボジアで広まっていると思いますか?
明確に実感しています。特にこの1年では、イオンモール第二号店がオープンしたことの影響が非常に大きいと感じています。プノンペン店と同様に日本食文化の発信基地になっており、モール内に10軒前後の日本食料理店が開店しました。イオンスーパーにおいてもブッフェ形式で日本食を楽しめるなど、多くのカンボジア人が気軽に日本食に触れる大きなきっかけになっていると考えます。しかし、日本食が身近になりつつあると感じる一方で、依然、日本食は高級なものであるという位置付けである事は確かです。前述のイオンモールや様々な形態のレストラン様が展開することによって、カンボジアの中~低所得層の方々にとってより身近なものになっていけば飛躍的に市場が盛り上がると期待しています。
―――御社の強みについて教えてください
一つは、日本国内の食品メーカーや商社との強い連携を持たせて頂いていることです。弊社はモノを仕入れて売るだけではなく、メーカーと相談させて頂きながらどのようにすればカンボジアの方々に知って頂けるか、手に取って頂けるかなど、商品やブランドを広げる戦略を展開しています。例えば、食品や貿易に関わるイベント等に積極的に参加したり、メーカー連携で市場に合わせたマーケティングや販促を実施しています。
―――現在、日本食レストラン以外からの発注はございますか?
イオンを筆頭としたスーパーマーケット、2018年にカンボジアへ進出したサークルKなどのコンビニエンスストア及びミニマート、薬局、そして2年前の直行便を皮切りに機内食への食材提供を行っております。シェムリアップ州では自社で小規模な店舗を開き直接販売も行っております。その他、ローカルや欧米系レストランへの日本食材提案にも挑戦しており、醤油、わさび等の基礎調味料とサッポロビールや各種日本酒などを提案し採用して頂いております。
―――前回も伺いましたが、これからの飲食業界はどうなっていくと思いますか?
現在カンボジアのGDPは7%の成長を継続していると言われていますが、その数値以上に加速的に日本食の市場が広がっている実感があります。今後、日本食ブームが一層本格化してくると確信しています。
―――御社の展望をお聞かせください
日本から直送の鮮魚の展開を考えており、既に実施の準備段階にあります。直行便を用いることでその日に獲れた新鮮な魚介を日本と同様に安定して提供する事が目標です。文化遺産である和食は、カンボジアでも受け入れられています。様々な商品を安定して提供し、日本食を盛り上げてゆくことが私たちの目標であり役目だと考えています。
上記のような新しい商品の拡充や提供のみならず、今後カンボジアへの進出を検討している企業様に対して、情報提供や様々なサポートができる立場で在りたいと考えています。飲食関係に関わらず、皆様にはどんなことでも気軽にお問い合わせ頂けると大変嬉しく思います。今までの経験や関係企業との連携により、全力でサポートさせて頂きます。