2017年8月10日
(前回の続き)
――カンボジア人材の特徴について教えてください
大西義史(以下、大西) 印象ですが、カンボジアの方々は非常によく勉強をされており、目上の方が言うことをよく聞くなど、古風な日本的なところもあります。一方それを、「大西さんに言われたから」という受け止め方をしている人がいるのも事実です。もちろん上司部下の関係はありますが、我々のお客様は生徒であり、競合他社に負けないようなサービスと高い質の商品を作り出すことです。誰が言ったからではなく、理由があるからこれを行う。そういう意味では、年齢やタイトルはあまり意識しないでほしいですね。
――カンボジア人材が直面する課題を教えてください
大西 トレーニングの場が少ないことです。勉強しているので知識はありますが、いわゆるカイゼンや5Sなどを実践できる場がありません。我々が提供しているコースについても、我々自身がそれを使いこなす必要がありますね。だから、CJCCはこんなにオペレーションが素晴らしいんだ。そう皆様から思ってもらえるような組織にしたいと考えています。
また、大学を出ても、本当に働きたい会社がまだ選べない状況です。それを打破するには、自分で開拓するか、既存の企業を成長させるか、世界に目を向けるかです。共に国際競争力をつけるべきですね。私自身がこれまでグローバル企業で働いてきたので、その後押しをしたいと思っています。
――日本企業がカンボジア人材を採用する際に、留意する点を教えてください
大西 日本語ができる方を紹介してほしいというお声を頂きますが、そう簡単に日本語人材は生まれないと思います。もちろん、素養がある方を送り出すことは可能ですが、はじめから大きな期待はできません。それよりも、自分で考えること、責任を全うすること。逃げない、ごまかさない、隠さないをきっちり守ること、ビジョンを一生懸命具現化しようとすることが大事で、そこに加えて、日本語のコミュニケーションが可能な人を育てたいと思っています。
日本式経営とは、従業員を大切にし尊重する経営です。人を育てるには権限移譲だけでは無く見守りサポートする事が大切だと考えています。それが報連相という形で広く伝わっているのだと思います。スキルよりもビジネス人材として、きちんと育って貰えればと思っています。
――将来の展望について教えてください
大西 展望は明るいですね。産業人材育成のニーズは高いです。CJCCで学ばれている人達は、大学生や高校生、社会人の方々です。そんな人々が、仕事や勉強が終わった後、ここで勉強したいと思う。これ自体素晴らしく、ニーズがないとできないことです。また、ほとんどのコースが有料のため、お金を払ってでも来たいという人たちがこんなにたくさんいます。
我々も学生の期待に応えるため、ここに来たら国際競争力が持て、人間的にもビジネスマン的にも認められるんだというサービスや授業を提供するべきだと思います。産業人材の育成はまだまだ足りないくらいです。今後も引き続き伸びると考えます。
――今後の抱負や目指していきたいものを教えてください
大西 CJCC自体が存在を期待される組織でありたいと思います。仕事が終わった後、CJCCのロゴ入りシャツを 着て帰ることもありますが、その際たくさんの方から声をかけられるんですよね。カンボジア人はもちろん、海外の方からもです。CJCCの認知度の高さが分かります。
夢を持つことは誰にでも可能ですが、それを実現できるかが国の力の差です。ここに来れば、夢を実現する一歩を後押しされる、まずは相談してみよう。CJCCに来ると何か面白いことがあるぞ、考えていることを具体化する手伝いをしてくれるぞ、とそんな期待をされる組織にしたいですね。(取材日:2017年4月)