カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

日本語が大好きで、日本人も大好き。憧れの日系企業で働く毎日です。

MADAM SACHIKO ANGKOR COOKIES

ショップリーダー リー・ミニア

11988年生まれ。シェムリアップ州出身。アンコール大学でマネジメントを、副専攻で日本語を学ぶ。日本語副専攻の試験に二度目で合格した。恩師も認める努力家で、現在も独学で日本語を勉強している。2012年、マダムサチコ アンコールクッキーズへ入社。半年後ショップリーダーに昇格、12人のスタッフをまとめている。

日系企業で働くカンボジア人スタッフたち。どんなことを思い、どんなことを考えているのでしょうか?
カンボジア土産の定番となったアンコールクッキーで働くミニアさんに、日系企業で働く理由や魅力についてお聞きしました。

日本人との出会い、日本語との出会い

 毎日多くの観光客が訪れるアンコールクッキーショップで働くミニアさん。日本に興味を持ったのは高校生の時、アンコールワットで見かけた日本人観光客がきっかけだった。「日本語の響きがかわいくて、イントネーションが素敵で、それで日本に興味を持ちました。日本人も大好きです。丁寧だし、生活様式や習慣もいいです。カンボジア人の好みに合うんだと思います」。
 高校卒業後、日本語副専攻のあるアンコール大学へ入学。日本人の恩師から日本の文化やルール、日系企業の厳しさについて学ぶ中で、仕事への心構えもできていった。
 「日本人が好きで、とにかく日本の企業で働きたいと思っていました」。アンコールクッキーの最終面接で代表の小島幸子氏には、「日本人は厳しいですよ。私も厳しい人ですよ、と言われました。学校で習ってきましたから、もう分かっています。マダム(代表の小島氏)が特別厳しいわけではないと思います」。

日本の会社、日本のルール。いまも心に生きる恩師の教え。

 これまでタイ料理レストランなどで働いたことはあったが、日系企業ならではの厳しさに戸惑うこともある。「アンコールクッキーとタイ料理のお店では、ずいぶん違います。時間も厳しくて、ルールもあります。厳しいです(笑) でもできるだけがんばります」。
 時間の厳しさは日々実感している。「日本の会社は、頼まれた仕事は時間どおりに終わらせないといけません。言い訳は聞いてもらえません。カンボジアだと仕事の内容を分かっているから、決められた時間にできなくても大丈夫です。一つだけでなくいっぱい頼まれて、これは無理だろうと思っても、日本人はできるといいます。そして時間どおりに終わらせないといけません。日本の会社は厳しいと教わっていて、本当にその通りでした。日本の会社には、日本のルールがありますね」。だが、大学の恩師の教えがいまも生きているから大丈夫なのだと言う。「郷に入れば郷に従え。そういう感じです(笑)」。社員として働く以上、決められたルールに従わなければならないですよねと頼もしく笑った。

日本語で接客できることが何よりの喜び

 スタッフが仲良く働けることはもちろんだが、日本語で仕事ができること、接客が大好きなこと、それが仕事のやりがいにつながっている。たくさんのお客さんでお店がにぎわっているとうれしくて、自然と笑顔がこぼれる。クッキーの説明をして試食をすすめるカスタマーサービスを担当しており、自分の説明を興味深く聞いてくれることが仕事の一番の楽しみ。「日本人のお客さんは、日本語をよく誉めてくれます。でも、買い物しておまけしてくださいと言われるのは困ります。お店ではおまけできませんから・・・」。無理を言われることがあっても、何事も勉強なのだと思い笑顔で接客を楽しんでいる。
 日々の仕事の中から学ぶことができるのも、日系企業の特長だと話す。「カンボジアだと、自分より相手が仕事ができるようになってしまうのが嫌で、あまり人に教えたりしないのです。ここでは、スタッフどうしで助け合い、教えあっています」。協力しあい教えあう環境のなかで働いたことが、自分の成長につながっていると感じている。
 日本人と働くうえで、気を付けていることもある。「できないことは先にいっておくこと。お互いによく知り、コミュニケーションをよくとることです。嘘をつかないことも大切です」。
 日系企業には、カンボジアの文化や風習を理解してほしいという思いもある。「仕事は大事だけど、家族も大事です。親への恩が大切です。日系企業のみなさんは、そこを考えてくれるとうれしいです。誰かが亡くなったときにしか休暇がとれないのではなく、例えば用事のあるときには休みを許可したりしてほしいです。時間が厳しくて親に会えない企業は、カンボジアに合わないと思うのです」。
 日系企業の進出も歓迎してくれている。「日本の会社がたくさんカンボジアに進出したら、日本が好きなカンボジア人がたくさん働けるようになります。それは嬉しいことですね」

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一緒に働く日本人のコメント

sachiko

President 小島 幸子
 厳しさやルールはカンボジア人には違和感を感じるものですが、いろんな人が働くには必要だとミニアは考えています。
 外国人である私がここでやっていけるのは、スタッフたちのおかげです。教えてもらうこともたくさんあったし、彼らのサポートがなかったら、ここまでやってこれませんでした。もちろん、こちらが一方的に信頼するのではなく、相手にも認めてもらえる関係をぶつかりながら築いてきました。
 私はずっとここで暮らしていこうと思っているので、この社会の一員として、ここで暮らして仕事して、税金を払って。ここの市民として一緒に。仲間に入れてほしいなと思っています。


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