
1991年生まれ。コンポンスプー州出身。AEU大学(夜間コース)で金融、銀行業について学ぶ。プノンペン市内のレストランのウエイター、浄水器販売の営業を経て、2011年、競争率10倍以上の難関をくぐり、データ入力オペレーターとしてメイホーエンジニアリングに入社(第一期生)。翌年7月、GIS係長に昇進、8月に優秀社員賞受賞、2013年1月に課長代理へ昇進。趣味は音楽鑑賞。
日系企業で働くカンボジア人スタッフは何を思い、何を考えているのだろうか。日系企業の魅力や仕事のモチベーションは? データ入力や地図化関連業務の会社で働くカンボジア人スタッフ、チャナさんに話を聞いた。
大学を卒業後、体力勝負の仕事をしていました。力を使う仕事ではないことをしたいと思っていたとき、新聞で求人広告を見て応募しました。頭を使って考える仕事をするようになったこと、それが今までとの大きな違いです。
採用の面接のあと、きちんとした服装で来ていたこと、ちょうどいいスピードで目を見てはっきりと話したこと、明るく笑顔だったことがよかったと言われて、合格を感じました。
日系企業の厳しさについては、友人達から聞いていました。怖いから、日系企業では働きたくないなと思っていたんですよ。実際、入社したときは厳しいと思っていました。でも、2か月ほどで慣れましたよ。厳しさの理由を知り、その厳しさを正しいと思うようになりました。その厳しさを守ればいいだけだと思いました。ルールを守るところなど、とても良いと思います。
もちろん、入社時から不安はありました。データ入力の仕事で応募したのに、実際に働いてみたら、地図を作る仕事だったのです。びっくりして、不安でした。7人の同期の中でも、自分の経験が一番少なかったのです。
入社して半年後の社内面談で、地図を作成するスキルやPCスキルについて、アドバイスをもらいました。もちろん、入社するまで経験したことがないことばかりです。だからもっとがんばろうと思って、他のスタッフに聞いたり教えてもらったりして勉強しました。そのうちに退職したスタッフの仕事もできるようになり、先輩がいなくてもできるようになったんです。
メイホーでは、年に一回、一人にだけ、優秀社員賞が授けられます。選考のポイントは、二つです。一つは責任感、もう一つは、時間を守ることです。
過去に受賞したスタッフに、どうして優秀賞を取れたのかを質問して、自分ももらえるようにとがんばりました。時間を守ることと責任感については、守れていると思っていました。さらに仕事でも結果を出すことを考えました。
入社して一年足らずで係長に、その半年後には課長代理に昇進しました。社内でも早すぎる昇進です。
昇進してから、仕事は忙しくなりました。忙しすぎます(笑)。仕事の指示は、日本人の上司から直接受けるようになりました。4人の部下ができ、責任も大きくなりました。仕事が残っていると気になって眠れないので、仕事が終わるまで帰りません。大学の恩師の教えもあり、仕事は必ず終わらせて帰るようにしています。
この優秀社員賞の受賞や昇進がモチベーションにつながりましたが、日本人のゼネラルマネージャーや現地マネージャーのお姉さんも大きな存在です。いつも社員全員のことを考えてくれていて、応援し続けてくれます。とてもいい上司です。
スタッフ同士の仲がいいのはこの会社の特徴の一つですが、この二人のおかげだと思います。他の会社は自分のことしか考えてない人が多いのに、この会社では、誰かが先に終わったら助け合います。この会社にはそういった雰囲気があるんですよ。
日系企業の良いところはたくさんあります。責任を持ち、時間を守ること。仕事の時間と休憩の時間をきちんと分けていて、仕事の時間はきっちり仕事をします。入社したばかりのカンボジア人には、厳しすぎると感じることもありますが、スタッフ同士で応援したり、厳しさの理由を伝えたりすれば、分かってくれるようになりますよ。
日本は地震があっても立ち直る強い国です。学ぶところがたくさんあると思います。日系企業がカンボジアに進出してくれることを歓迎します。そして、一緒に働くカンボジア人に、「しっかり時間を守りましょう」と伝えたいですね(笑)。
チャナの責任感の強さはスタッフの中でも一番でした。残業も嫌がらずに対応してくれ、お盆の帰省時にも、急な仕事の依頼があればプノンペンに戻るから連絡をくれと言ってくれました。
カンボジア人スタッフには、基本的には一緒に働いてくれることに感謝していますが、ルールを守れないときには厳しくしています。ルールを守ることは仕事をすることよりも大切なのだと、行動で伝えていました。また、一方的にルールを定めるのではなく、自主的に守ってくれるような雰囲気を心がけています。
今後は、弊社が地域に長く根付いていけることを願っています。自宅での作業が可能な業務もあるので、将来的には在宅勤務を制度化して、家族を大切にするカンボジア人が、家族の近くで仕事ができる会社にしたいと思っています。
今回行った調査では、全体のうち賃貸物件に住む人が54%、持ち家に住む人が46%を占めている。 賃貸物件に住む人を対象に行ったこの質問では、場所(環境)と家賃が家選びの基準として多く挙げられた。場所(環境)としては、会社 … [続きを読む]
世界で最も住みたいネイチャーシティの実現へ(2017/05発刊6号より) ”IoC”。この言葉を聞いたことがあるだろうか。IoT(物のインターネット)が製品化される中、世界の最先端企業はIoC( … [続きを読む]
カンボジアの若者たちにとって、会社を選ぶ際に重要視されているのは給料であり、その次にスキル向上が並んだ。新しいことを学ぶのが好きだと言われるカンボジア人。仕事を通して、自分の知識やスキルを向上させたいと思う若者も多いよ … [続きを読む]