(c)Phnom Penh Post
カンボジアのデベロッパーは、誰が中間所得層の構成員なのか、月にいくらの収入があるのか等について、だいたいの事しか把握できていないが、価格や広さ、ロケーションなど様々なファクターは考慮している。
業界でも最も価格が安い部類のBCKコンドミニアムは、1部屋あたり16平方メートルで価格は1万4590ドルから。セールス・マネージャーによれば、カンボジアの中間所得層には子供のいない家庭が多く、このコンドミニアム計画も月間収入500~600ドル程度の低中所得の核家族をターゲットとしている。
コンドミニアムチェーンのレジデンスLカンボジアは、1部屋あたりの広さが30~50平方メートルなので小規模世帯が想定されており、中間所得層市場を席巻している。価格帯は4万~8万ドル。先立って中間所得層には2つあるという。
同コンドミニアムの株主の一人であるトゥイ・ブン氏はターゲット選定要因について、「富裕層にとってはあまり魅力的なロケーションでなかったこと、高所得層よりも中間所得層市場のほうがずっと規模が大きかったことが理由だ。彼らは、贅沢過ぎず貧相すぎもしない暮らしを望んでいる」と語った。
一方で、カンボジア不動産協会のキム・へアン会長は、コンドミニアムには駐車スペースやセキュリティ、広い共有スペース、プールやジムなどといった充実した設備が必要であり、「こういった設備も無しで広さ16平方メートルの物件は、コンドミニアムと呼ぶにも相応しくない」と語る。
国立母子保健センターによれば、カンボジアの家庭は現代的な傾向ととも出生率も低下している。2010年の3%から、2014年には2.7%に減少した。
CBREの副ディレクターであるティダ・アン氏は、「こういった小さな物件は、地方出身の大学生向けの学生のためのもので、コンドミニアムというよりアパートメントだ」と話した。
カンボジアの人々は、フラットやヴィラからコンドミニアムへと住居を移すようになっている。都市部の土地がより狭小で高価になっているほか、交通渋滞が酷いことが理由だ。