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マネーロンダリングとテロ資金供与における脆弱性についての最新の世界ランキングで、カンボジアがASEANワ―スト1位、世界ワースト6位となった。
スイスのバーゼルに本部を擁するバーゼルガバナンス機関(Basel Institute on Governance)が発表する、2016年版の反資金洗浄指数(The 2016 Basel Anti-Money Laundering (AML) Index)のレポートによれば、カンボジアは金融セクターに構造的脆弱性があり、法治システムが弱く、腐敗率も高かった。
リスクスケールは最低値0から最高値10で評価されており、カンボジアの全体指標は7.89だった。これはASEAN10か国のうち最悪で、イラン、アフガニスタン、タジキスタン、ウガンダ、ギニアビサウ共和国に次ぐ第6位だった。
反資金洗浄指数プロジェクトの責任者は、「腐敗レベルが下がり、金融と国家予算割り当てに関する透明性が向上すれば、カンボジアはリスクを低減し、指数は改善できるだろう」と語った。
2014年から2015年にかけて指標はわずかに向上しているものの、同責任者によれば、「マネーロンダリングのリスク環境を改善するには十分でない」という。
アクレダ銀行CEOのイン・チャンニー氏は、「カンボジア中央銀行(NBC)は全ての金融セクターに規制をかけ、もっとしっかり監視すべきだ」と述べた。
長年、腐敗と戦ってきたCNRPの弁護士によれば、カンボジアは昔からルーズなガバナンス・システムによって金融機関が急増しており、マネーロンダリングの機会を増加させているという。また、中国での大規模な反腐敗運動により、その分の資金がカジノ業界や不動産ブームをカモフラージュにして、カンボジアに流入しているという。
同氏は、「政府は政治的な意志をもってマネーロンダリング問題について取り組むべきだが、そんな意思はないだろう」と話した。