2月10日に観光省が発表した政策案によると、政府は退職後の移住先として外国人をカンボジアに呼び込むことを目指す。
政策案では、観光省、経済財政省、国土整備・都市化・建設省が一丸となり外国人の不動産購入や長期滞在を促進し、観光業からの収入を増加させることを提言している。
さらに提言では、国全体の「特別居住地」開発も含まれている。「特別居住地」とは外国人向けの商業用不動産や広範囲の補充的設備からなる。また、「特別観光客」はこの特別居住地での不動産売買、賃貸の権利を持ち、通常より長期間で柔軟なビザを取得できるとしている。
ほとんどの政策の詳細は未定であるものの、旅行会社ワールド・エクスプレス・ツアーズ&トラベルの取締役ホ・バンディ氏は、同案が外国人への制限を軽減し土地を所有できるようにすることで、外国人からさらに高い利益を得られると期待を述べる。
「これらの政策によって自由に使えるお金の多い退職者やカンボジアに定期的に家族と訪れたいと思っているお金持ちの旅行客を呼び込めるでしょう。今のところ、政府はこういった人々を呼び込むために国立公園や沿岸のエリア開発を考えていると思います」と、カンボジア商工会議所のアドバイザーでもある同氏はこう話す。
先月発売されたインターナショナルリビングマガジンの2016年退職者に関する指標によると、退職後の安息地としてカンボジアを選ぶ人の数は23か国中21位だった。
カンボジアが初めてこの指標に入ったのは2014年で、今年は「居住費」のカテゴリーで第1位だったが、一方で「インフラ」「ヘルスケア」「利益と値引き」のカテゴリーでの評価は低かった。
しかし、新しい政策の提言は、カンボジアに外国人退職者を呼び込むための国際的な競争力を高める動きを象徴するとプノンペンでホテルを経営するアレキス・デ・シュアマン氏は話す。
「人々は退職後、法的に自分のコンドミニアムやビラを海辺に持ちたいと思っています。マレーシアやタイがこの点において参考となるでしょう。現在カンボジアで外国人は自分の不動産や土地を持つことができませんが、ケップやシェムリアップに持ちたいと思っている人をたくさん知っています」と、同氏は話す。
さらに同氏は、もし政府がカンボジアのインフラや国際的なイメージを向上させることが出来れば、退職した外国人を呼び込む機会は十分にあると期待を述べる。
「政策で提言されたビラや土地を買って所有できるリゾート地の開発に加え、セキュリティや医療設備の充実が高齢の退職者たちを呼び込むために優先される必要があるでしょう」と同氏は話す。
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