2016年9月4日
(前回の続き)
―――サービスアパートメント・TAMASAの近況を教えてください。
上田武範(以下、上田) 皆様のおかげで長期滞在の方でほぼ埋まるようになってまいりました。以前のご契約者様に媒体の影響がどれくらいかわかりかねますが、広告の効果や口コミもあると思います。今までは日本の方々からのご利用は多くなかったと感じておりますが、今は増えてきています。また、ご契約者様には、中国人、韓国人、タイ人、フィリピン人などアジア系のマネージャークラスが多いです。競合は強いてあげるなら、TAMASAから200mほどのところにある中国系のホテル・アパートでしょうか。TAMASAよりも広くて、価格が安いことが特徴です。
―――ところで、タマホームといえば戸建を思い浮かべる日本人が多いかと思いますが、いままでなぜカンボジアで住宅を手がけなかったのでしょうか
上田 進出当時は、住宅はまだ時期尚早という判断でした。なので、最初は、駐在員や外国人、そして中間層以上のカンボジア人に的を絞ったビジネスとして、サービスアパート、ホテルをはじめました。時期が来たらそれらではなく住宅にシフトしていこうという考えでしたが、まだまだサービスアパートやホテル等の需要もあるので検討しています。それは必ずしもプノンペンにということではなく、シェムリアップ、ポイペト、バベッド等でも検討しています。
―――株主からのカンボジアについての評判はいかがでしょうか
上田 ハワイのコンドミニアム案件の方が関心が高いと感じています。ようやく、Tama Hotel、TAMASAの運営をスタッフに任せる事が出来るようになってきたため、これから住宅開発にとりかかる準備をはじめたところです。これから住宅開発にとりかかることができるので、もっと注目してもらいたいと思います。
―――それでは最後に今年の経営戦略についてお伺いしたいのですが
上田 いよいよ本業の住宅分野に進出したいと思っています。私自身、ここでチャンスがあることには挑戦していいよと言われてきていますので勝負したいですね。
日本の本業は注文住宅が基本ですが、カンボジアではまだ注文住宅は難しいと考えています。土地を購入して住宅街を造って販売する分譲型でやっていきたいと考えています。
―――カンボジアではどの層を狙っていくのでしょうか。
上田 日本でタマホームは今まで家が買えなかった人が買える社会にしたいということで、年収300万円台でも買える家を提供しています。カンボジアでは少し高めの層を想定しています。中間層から富裕層の間くらいの月1500ドル以上を稼いでいる人をターゲットにしたいと思っています。7万ドルから最大15万ドルくらいで買えるものを目指します。
また、日本の次世代住宅のようにハイスペックにしていきたいです。特に最近できた住宅やコンドミニアムでも設備が乏しかったりしているので、そういうところをどんどん提案してきたいです。またソーラーパネルもいいですね。日射量が日本の1.5倍程あるし、発電効率がいいので、電気代の高いカンボジアの人たちに喜んでもらえると思うんです。(取材日/2016年4月)