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業界別インタビュー

2017年7月28日

有用性のある事前調査、プランニングが大切 [法務・税務・会計] 宮田智広

法務・税務・会計

SCSグローバルコンサルティング SCS Global Consulting(Cambodia)
ダイレクター: 宮田智広  Miyata Tomohiro
カンボジアでビジネスをする上で欠かせない税務・会計業務。日本企業にとっては、カンボジアの税務・会計の専門性を持った日本人が必要になるだろう。17ヶ国に自社拠点を置き、2016年からカンボジアで、会計、税務、海外進出コンサルティングの専門的なサービスを提供しているSCSグローバルコンサルティング。公認会計士の宮田氏に、カンボジアでの税務・会計業界の現状について伺った。(取材日:2017年4月)
税金徴収体制を強化させる動きが出ている

――御社の自己紹介、また御社の特徴を教えてください

宮田智広(以下、宮田) 当社は、シンガポールをはじめアジアを中心に17ヵ国に自社拠点を有する国際会計事務所です。
 
 “One Team、No Border”というビジョンを掲げ、ネットワーク間のコミュニケーションを密に取ることで付加価値の高いサービスを提供しています。各拠点には日本人公認会計士が常駐しています。


――カンボジアにおける会計制度や税制度の現状について、詳しく教えてください

宮田 カンボジアではまだまだ税金の徴収体制が確立されているとはいえず、税務登録をしていない企業も多く存在しています。しかし租税総局は、税務登録をしていない企業の調査を実施したり、2017年から2018年に税務登録をした中小企業への法人税免税規定を設けるなど税務登録企業数を増加させ税金徴収体制を強化させる動きをみせています。

経理財務部門が常駐することは滅多にない

――カンボジアで活動する企業が直面する経営上の問題は何ですか

宮田 日本企業が海外進出するにあたり、本社の経理財務部門の方が常駐することは滅多にありません。そのため会計税務の知見や素養のある日本人がいない中、資金繰りの繊細なスタートアップ期などにおいて自社で会計税務を試みるも、後々申告漏れや会計と税務の不一致、必要書類の紛失などといったトラブルが発覚し、結果的に追徴課税等でコストが余計に膨らむケースがしばしばあります。ここカンボジアにおいても法制度が頻繁にアップデートされ、それがビジネスリスクにもチャンスにもなりますが、いずれにしても常に専門性の高い知識が必要になります。


――御社がカンボジアでのビジネスで重視してる点があれば教えてください

宮田 カンボジアでビジネスをする上でカンボジア人スタッフに依拠する部分も多くあります。しかし、カンボジア人スタッフの多くはまだまだ納期や品質に対する意識は高くはありません。日系の会計事務所である以上、日本人もしくは相当程度高い知見を有する人間がスタッフの仕事をチェックする必要がありますが、その中でひとつひとつ地道に話し合いを重ね意識を高めていくことを大切にしています。

追徴リスクを低減するためには専門家に相談すべき

――今後進出してくる日本企業が注意すべき点を教えてください

宮田 新興国に進出してまず驚くのは、税金を支払っていない企業の多さだと思います。税金を支払わなくてもたまたまお咎めがない場合もありますが、最近租税総局が税務登録をしていない会社の調査をするなど税金の徴収体制の強化を急いでおり、税務登録をしていない企業のリスクは高くなっていくものと思われます。しかし現状、関税を支払っていない中国企業等との不当な価格競争にさらされるケースも頻発しているため、有用性のある事前調査を行いプランニングすることが肝要になります。


――カンボジアにおける会計・税務業界への展望をどうお考えですか

宮田 カンボジアにおいても会計税務の人材はいますが、会計税務の理論を知っている人材はまだまだ少ないと認識しています。会計事務所として会計人材の雇用を通じ、会計の目的や考え方を身につけていけるよう啓発していきたいと思っています。


――最後に読者に対してメッセージをお願いします

宮田 カンボジアでは他国の税制を参考に大枠の税制が整備されていますが、カンボジア独自の慣習や文化、政策を反映するためカンボジア固有の税制も多く、追徴リスクを低減するため専門家に相談することをお勧めします。


SCSグローバルコンサルティング SCS Global Consulting(Cambodia)
事業内容:
URL: http://www.scsglobal.co.jp/

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