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業界別インタビュー

2017年1月13日

日本では表現できなかったことがこの国でなら表現できると思った[メディア] 柳内学

マーケティング・メディア

メイツグローバルコミュニケーションズ MATES GLOBAL COMMUNICATIONS CO., LTD
ダイレクター Director: 柳内学 Yanai Manabu
カンボジア人向けフリーマガジン「CHUGAPON」の発行や、トゥクトゥク広告やイベントなどを独自のネットワークを駆使して行っているメイツグローバルコミュニケーションズ代表の柳内学氏に、カンボジアのマーケティングの特徴、大切なポイントなどをお聴きした。(取材日/2016年8月)
日本とカンボジアの文化を広げていくことも大切

――御社の事業について教えてください

柳内学(以下、柳内) 弊社は私を含め日本人5名、カンボジア人13名で、カンボジア人向け雑誌「チュガポン」をメインとしております。さらにこの本体の仕事を支えるために、名刺やフライヤー、パンフレット作り、企業の進出支援も行っています。チュガポンやタマヤ日本語学校の立ち上げ実績の中で、価値を感じて興味を持ってくださった方々からお仕事を頂くことが多いですね。

広告代理業としてチラシ配り、覆面調査や通行量調査などアナログな仕事もしています。人が大勢必要になるので、タマヤ日本語学校の学生たちにアルバイトとしてやってもらっています。カンボジア人だけでやらせるのではなく日本人も一緒にやっており、服装も揃えている点や管理の面で高い評価を頂いています。

 弊社には読者モデルもいくらか所属しているため、イベント関係も行います。日本のモデルを呼んで、弊社の雑誌の表紙をやってもらい、カンボジア人とコラボレーションさせたりもしています。日本のモデルがカンボジアの女の子に受け入れられるのか、その中でなにか良いものが生まれたらな、と。最終的にはカンボジアの女の子を、日本でデビューさせたいです。日本とカンボジアの文化を広げていく、ということも大切ですね。

口コミは外せない手法

―――カンボジアでのマーケティング手法は、どのようなことをされていますか

柳内 ビタースティックといって、水蒸気を使用した先が光る電子たばこのような物が日本や韓国で流行っていますよね。これをカンボジアのモデルやFacebookフォロワーが3000人程いる人達に商品提供をして、コメントを書いてもらいます。すると、あの人が吸っているなら私も欲しい、というように反響があります。日本の商品や化粧品などは、彼女たちに使ってもらい反響をとり、口コミで進めていくバズマーケティングを行っています。

 カンボジアでは産業が無く作れないため、様々な物を中国、ベトナム、タイなどから輸入しますが、すぐに壊れてしまう物も多く存在します。その情報を信頼できる隣近所で、口コミで共有しているのです。そうやってカンボジアの人の目も肥えてきているので、我々も良いものを提供して口コミに乗せていくようにしています。

 また、Facebookやトゥクトゥクがわかりやすいので、今後は自社トゥクトゥクに挑戦したいですね。トゥクトゥクの看板は信頼性も高いので、自社でトゥクトゥクを社員に運転させ、無料で走らせたいと考えています。利用してもらった人に写真を撮ってもらって、今日は無料のチュガポントゥクトゥクに乗ったよと宣伝してもらいます。お客さんに喜ばれれば、ドライバーも仕事に誇りを持てますよね。

紙を大切にする文化

―――カンボジアで紙媒体はどうなのでしょうか?

柳内 カンボジア人は紙を大切にする文化があるので、カンボジアでの広告の配布などは一切ごみとして捨てられませんでした。これは効果があるな、と思いました。

 それに対して、カンボジア人は文字をあまり読まないと聞きますが、興味を持ってもらえそうな写真などを作っていくようにしています。また、どうしてモデルになったかなどのバックグラウンドのインタビューは、特に子ども達が興味を持って喜んで読んでくれますね。

ゆっくり根付いていくことが大事

―――カンボジア事業において、日本人に求められる姿勢は何だとお考えでしょうか

柳内 私は、カンボジア事業で求められるのは覚悟と決意だと思いますね。カンボジアを好きになって、マイナス面もあるけれどこの国に来ました。カンボジアの人から様々なことを教えてもらいながら、自分が日本では表現できなかったことがこの国でなら表現できると思いました。この国で地に足つけて仕事をする覚悟があるか、あるのであれば能力は別だと考えます。それは勉強したり、努力したりで身に着けることができると思います。

 カンボジアで新しい価値を作っていく、ということはとても時間がかかります。例えば日本で成功したフリーペーパーをやっているから、カンボジアでもそのノウハウをやろうなど、日本で流行っているからカンボジアでも流行るということはありません。価値観も文化も異なるので、まずはこの国の人が何を大切にしていて、どういうところにアイデンティティがあるのか、後進国で経済成長率が7%もあるから、良いものを提供すれば食いつくだろう、ということは絶対にありません。なので、ゆっくり時間をかけてカンボジアに根付いていくことが大事なことだと私は思います。(取材日/2016年8月)


メイツグローバルコミュニケーションズ MATES GLOBAL COMMUNICATIONS CO., LTD
事業内容:情報誌発行、各種デザイン、広告代理業、レンタルオフィス事業
URL: http://www.mateskh.com

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