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業界別インタビュー

2016年12月21日

現在もこの先もオンラインニュース事業は優先度が高い[メディア] ソイ・ソピーア

マーケティング・メディア

DAP メディアセンター DAP Media Center  
ダイレクター Director: ソイ・ソピーア Soy Sophea
国民全員がニュースサイトにアクセスできるわけではない一方、都市部では多くの人がウェブコンテンツを消費するという、リテラシー格差が大きいカンボジアでは、同じメディアという括りであっても、コンテンツ提供方法によっては普及・発展度合いに開きがある。カンボジアの若年層を主なターゲットとするニュースサイト「ルッキング・トゥデイ」や「DAPニュース」を運営するDAPメディアセンターのソイ・ソピーア氏に、カンボジアのメディア事情についてお話を伺った。(取材日2016年7月)
ウェブやアプリケーション領域への事業拡大

――自己紹介をお願いします

ソイ・ソピーア(以下、ソイ) ソイ・ソピーアです。DAP メディアセンターで、ウェブサイト、ユーチューブ、DAPラジオの責任者をしています。2010年10月にDAPラジオダイレクターに指名されました。2015年12月から、弊社ウェブサイト「ルッキングトゥデイ」のダイレクターをしています。私は王立プノンペン大学を卒業した15年ほど前から、ジャーナリズムの世界にいます。「ポピュラー・マガジン」という雑誌で働き、その後タイで4ヶ月間と、カンボジアの他の大学や機関で、上級課程から准学士号レベルまでジャーナリズムを学びました。DAPでは、スタッフが7人しかいなかった頃から働いています。

――DAPメディアセンターと、新しい事業について教えてください

ソイ DAPには約80名のスタッフがいて、DAPはDAPラジオ、DAPプリンティングニュースペーパー、DAPウェブサイト、DAPアプリケーション、ルッキング・トゥデイで構成されています。また、弊社は2014年12月19日からYouTubeも扱っています。その他、若者に対して、ジャーナリズムについて学ぶ職業訓練コースの機会も提供しています。

 今年3月30日にはウェブやアプリケーションを初めて試験的に運用し、規模を拡大しつつあります。より多くの人に知ってもらうため、近い将来に「App DAP」や「App Looking TODAY」の試験運用をローンチする予定です。この新しいサービスにより、読者の要求に応えることができると思います。

カンボジアのラジオ市場の現状はタイト

――DAPの特徴は何でしょうか

ソイ DAPの収益はそれほど多くないのですが、中国メディアの新華社、日本の共同通信社、ジャパン・トゥデイと提携できているため、これらの情報を翻訳して自分たちで発信できます。また他にも、いくつかの現地・海外メディアと提携しています。

――DAPのラジオ事業について教えてください

ソイ ラジオ事業は全体の収益の10分の1程度なので、ラジオ事業に注力していません。なので、チュバル・オムポブの修道僧に監督権があります。弊社の主な収益は、ウェブサイトとアプリケーションです。ラジオ事業のほうで最も人気がある番組は、「伝道と教え」という仏教番組で、オンラインで24時間放送しています。初めは5人しかリスナーがいませんでしたが、現在では5万人に到達しました。

――カンボジアのラジオ業界の現況について教えてください

ソイ 現在のカンボジアのラジオ市場は、タイトな状況です。ラジオ周波数が小さくなりつつあり、リスナーにラジオ信号が届きにくくなるためです。全てのラジオ事業者らは同じ問題に直面していますが、これは規模の大きなラジオ局にとって心配なことでしょう。オーナーがスポンサーや広告に頼っているならば、周波数や信号受信の問題は、事業に大きな影響を及ぼします。

――DAPのウェブニュースサイトについて

ソイ DAPは近年、若年層や、良い教育を受けた人々にフォーカスしています。教育を受けていない人々はオンラインでウェブサイトを検索できませんから。

 弊社は2つのウェブサイトを持っています。1つ目のDAPウェブサイトは、一般の人々や政治イシューに興味のある読者をターゲットとしています。2つ目のルッキング・トゥデイは、社会ニュースや科学、エンタメ、技術、国際ニュースを読む若年層をターゲットにしています。中でも、セレブニュースや技術に関するニュースが人気です。両メディアの1日の閲覧者数は20万人にのぼります。正確な本物のニュースをお伝えしているので、時には25万人が閲覧します。

ジャーナリストは社会における行動規範を守る必要がある

――カンボジアの報道の自由の保障状況について教えてください

ソイ カンボジアの民主主義的社会において、ジャーナリストであるということは非常に重要だと思います。マスメディアなしには自分のことを伝えられないですし、国民に情報を広く伝えるという部分において、重要な役割を担っているからです。従って、ジャーナリストは社会における行動規範を守る必要があります。これについては、ジャーナリスト全員が次第に従うようになりつつあります。民主主義社会には、政府に対して反論したり、異論を唱えたり、もちろん支持したりなどの言論の自由がありますね。我々はDAPの書いた記事について読者が判断できるよう、様々な意見を取り込む努力をしています。

 私たちが日々実行している報道の自由は「カンボジア報道と出版に関する法」に準拠するものです。第1に、報道機関は事業登録の必要がなく、個人としてこういった事業を運営できます。また、投資資金を公表する必要もありません。第2に、カンボジアで行われる報道は修正を必要とされません。これは、報道前に政府の編集機関が内容をチェックするような近隣諸国とは異なっている部分です。

――カンボジアの報道内容の質についてどう思われますか

ソイ もしカンボジアと他のアジア諸国の新聞のクオリティとを比較してみたら、十分に良いとはいかないまでも許容範囲内だと思いますよ。なぜなら、我々はなるべく反体制派やNGOなどの情報源からも、正確で本物の情報を手に入れようとしているからです。現在では、全ての記事に反体制派やNGOからの情報が組み込まれており、これは新聞の質を高めることに繋がっています。

ソーシャルメディアからの情報に依存している面がある

――近年のカンボジアのマスメディアにおける動向について教えてください

ソイ 現在、カンボジアのマスメディアには問題があります。フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアの人気が高まっていますが、これらの情報源は定かでないにもかかわらず、無料で利用できるために人々はこういったソースに依存しているからです。また、書きたいものを何でも書ける権利を人々は持っているわけですが、情報を広めるという面ではソーシャルメディアは信頼できる方法ではありません。そういう意味で、ジャーナリストにとっては困難があります。

――DAPの今後の展望について教えてください

ソイ 弊社は将来的に、ラジオ事業部の人員を増やすつもりですが、DAPのフェイスブックページで人気がある、ウェブサイトや動画事業のほうに注目が行ってしまっています。また、現在もこの先もオンラインニュースは優先度が高いので、スタッフ陣のキャパシティを増やしていく予定です。
(取材日2016年7月)


DAP メディアセンター DAP Media Center  
事業内容:ニュース配信
URL: http://www.dap-news.com/

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