カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

業界別インタビュー

2018年12月10日

現地企業パートナーが成功要因 [人材・コンサル]大西義史

人材・コンサル

CJBI カンボジア日本経営者同友会
アドバイザー: 大西 義史 Yoshifumi Onishi
日本とカンボジアのビジネス機会創出を目指す企業経営者による団体であるCJBI。会員同士が直接交流できる場を提供したり、人材育成をしている。CJBIのアドバイザーである大西氏にCJBIの会員になるメリット、経営理念について話を伺った。(取材日/2018年11月)
カンボジアの健全な経済発展を支えていくために企業が健全に発展していく

――CJBI の会社について教えてください

 CJBIは2016年に設立された団体です。CJCC がそれの事務局機能を担っています。CJBI が作られた目的ですが、カンボジアの健全な経済発展を支えていくために企業が健全に発展していくということ、それから日本からいろんな中小企業の方が来られますが、そういう方たちに会員になっていただき、会員同士のビジネス能力の向上やビジネスチャンスの創造、社会貢献を行うことです。

――日本の会社とカンボジアの会社をマッチングするんですか

 カンボジアの会社はCJBIを通じて日本の経済団体などとビジネスコミュニケーションできます。アジアへ進出を考えている団体や企業が来られた時には、お互いに興味のあるビジネスであれば交流会を開いたりすることもやっています。

――CJBI の実績をお聞かせください

 会員数自体は伸び悩んでいるところです。特に日本在住の日本人投資家へ魅力を伝えるためには工夫が必要だと考えています。ただ、会員の中には、CJBIを通じて新しい取引が始まった例もあり、そうした新しいビジネスの創出が少しずつですができていると思います。今力を入れているのが、ビジネス能力の向上です。カンボジアの社会の習慣は日本と違っていますから、お互いに「できる」と言っても、できるレベルが違うでしょうし、「難しい」と言ってもどのくらいの難しさを「難しい」と言っているのか随分違うと思います。この辺の考え方やビジネス習慣の違いを互いに認識することが大事です。

きちんとしたパートナーがいないと何をするにしても大変

――大西さんの役割を教えてください

 CJCCがCJBI の事務局機能を持っています。私が居ないと動かないというのはサステナビリティ(持続可能性)の観点でよくありませんから、カンボジアの人たちが CJCC できっちり事務局機能をもち、CJBIの意思決定をするために提案をするための能力を強化していくという役割があります。CJBI が日本とカンボジアの企業の出会いの場を提供するうえで、私の経験を活かしながら日本向けに、日本人視点でカンボジアの魅力を提案するというような工夫をしています。

――カンボジアに来て自分だけでビジネスをやろうと思えばできますが、カンボジアの会社と協力するメリットはありますか

 カンボジアは規制が緩い方ですが、土地の取得など外資だけではできない分野があります。また、例えば、販売チャンネルを一から作らなければならないのか、既存の販売チャンネルを活用できるかどうかとか、現地にあった商品開発をする場合など現地に人の意見も聞かないといけないなど、やっぱりきちんとしたパートナーがいないと何をするにしても大変です。CJBIは入会審査もしっかりしています。信頼できる企業の集まりという団体にしたいと思っています。安心してお付き合いができる人たちの集まりにしていきたい、認知度上げていきたいと思っています。

――信頼できるカンボジアの会社をどのようにしてスクリーニングしていますか

 幾つかあります。まずちゃんとした法人登記がされているかどうか、登記していない会社はたくさんあります。きちんと登記をし、税金も払っているかどうか。入会審査の中では、過去に問題を起こしたことが無いかどうか、詐欺まがいなことをしていないかどうか、そういう審査を経ています。既存の会員にも毎年登記情報は確認しています。

団体の本当の力というのは政府にも理解してもらうこと

――日本の会社とカンボジアの会社をマッチングに手続きや費用はかかりますか

 今は日本人もカンボジア人も年会費100ドルです。初年度だけは月割りにします。入会後は毎年4月1日に100ドルをもらいます。その100ドルの中で全てを対応します。ただし、ネットワーキングイベントなどへの参加費は実費分を別途負担してもらう形になります。

――会員の能力向上について具体的なことはありますか

 最近で言うと東京商工会の副会長に長寿企業について話していただきました。利益を追求するのではなく利益は結果であると。社会に奉仕するためにあるという考え方ご説明していただき、その時に合わせて交流会を持ちました。

――そういう考え方がカンボジアの企業に広まれば健全な成長に繋がると

 そうですね。全てのステークホルダーに対して責任があると。株主、取引先、従業員だけでなく地球自体をステークホルダと考える。地球の環境も汚しては駄目。次世代のためにキレイな環境を残しておく。例えば日本人なら観光に来た時、来た時よりも綺麗にして帰ろうとします。それが必要。その企業が存在を期待され、後世によりよい環境を残そうとする。これは日本の考え方。長寿企業の根底にあると思います。

――利益を追求しないというところがいいですね

 利益は結果であると。その結果が本当に良いものであれば利益というのは出てくる。少なくとも会社が存続するためには利益は必要ですね。利益を完全に無視するわけにはいかないですが、私利私欲のために利益を生むというのはそれこそ続かない。従業員の家族あるいはお客様、地球に対して責任があります。そして、地球と考えた時に国境というのはあまり意味がないですね。

――CJBI の将来について抱負をお聞かせください

 CJBI は、一社ではできないことを団体でしようとしています。団体の本当の力というのは政府にも理解してもらうことだと思います。カンボジアの経済発展のために必要な意見であれば、 CJBI の中でまとめて、正しくデータもとり、正しく発信してあげれば、政府も考えられる余地がたくさんあると思うんですね。現場を持っている各企業が、実際に現場で何が起きているのか、それが政府としての法律を変えるとか規制を変えるとか、そういうところに繋げられると思います。団体として正しいボイスを持つこと。社会をより豊かにしていくという活動が必要だと思います。

 また、CVBI というのは大企業の集まりではなく、優良な経営者がいる中小企業の集まりです。ボードメンバーはすごく立派な人たちで、いろんな経験をされていて、会員企業の発展を支えていこうと思っている人達です。すべて全員が手持ち弁当でやっています。

 例えば、日本企業がこちらに来られた時に、大企業なら何をしなくても取引のネットワークを持っていますが、そうでない場合、例えば零細企業でいい技術を持っている、あるいはいい考え方を持っているところが、新しくカンボジアのパートナーを探そうとした時に難しいと思います。そういう時に、こういう人たちがいるので、お互いの得意な領域があるかもしれないし、まずは一度会ってみませんかという出会いの場を提供したいなと思っています。

 まだ日本在住の日本人投資家へのメリットがあまり出せていないです。カンボジアの経済情報などをCJBIの観点で提供したいです。また大事なことは、団体名称にもあるとおり、私たちは経営者同友会です。つまり、会社を経営されている方、あるいは役員の方が中心なのですが、利益代表者ではないんですね。会社にとっての利益追求団体ではなくて、交流の中で企業の枠を超えてカンボジアの将来を考える、そんな団体にしたいです。


CJBI カンボジア日本経営者同友会
事業内容:人材育成
URL: www.cjcc.edu.kh

その他の「人材・コンサル」の業界インタビュー