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業界別インタビュー

2015年12月21日

カンボジア人を怠惰だとは言えない[人材]ソー・キナール (2/2)

人材・コンサル

Aプラスコンサルティング Aplus Consulting
マネージング・ダイレクター: ソー・キナール Sar Kinal
2008年から人材開発や労務コンサルタントを行うローカル人材会社、Aプラス。マネージング・ダイレクターのソー・キナール氏に、カンボジアの人材業界と、カンボジア人の特長について話を伺った。
教育とキャリアを示すことが大事

前編からの続き
――確かに、まずはワークライフバランスの均衡点が違うことを理解することが大切ですね。ほかには何かありますでしょうか。

ソー スタッフ教育とスタッフにキャリアを示すことも大事です。これによってスタッフの企業文化に対する理解が深まり、生産性が高まるでしょう。また、一年毎に給与の見直しも必要です。能力のあるスタッフに会社に居続けてもらう為には少なくとも15%〜20%の昇給を示す必要があります。雇用者はカンボジアで起こる出来事を受け入れ考え方を変えないといけないでしょうし、次の後継者を探すこと、またスタッフを補充するために人材会社を使う必要もあるでしょう。

カンボジア人はビジネス環境で育っておらずマインドは根本的に違う

――先ほど、バランスの違いの話をして頂けましたが、理解しておきたい違いはその点だけでしょうか。

ソー はい、仕事への考え方(コミットメント)の違いも理解する必要があると思います。日本人は遅くまで事務所に残ったり、その日の仕事が終わるまでは家に帰らないという文化・気構えがありますが、カンボジア人は仕事時間が終わるとすぐに家に帰りたがる傾向があり、残業は顧客とアポイントがある時だけでしょう。ですので、日本人から見るとカンボジア人は仕事に対する責任感が低く感じるでしょう。このようなカンボジア人の働き方は様々な影響から来ており、例えば日本のようにきちんとした仕事に対する教育を受けていないことがあります。

――日本でも別にそこは学校で教わることではないですが、親の背中をみたり、入社した時の上司や先輩を見て理解することが多いと思います。現在のカンボジアでは難しいですよね。

ソー そうですね。また、女性の働き方にも充分に気をつける必要があります。女性スタッフは遅くまで働く文化がなく、日本と違い、遅い時間の帰宅はセキュリティの面からも危険です。他にも、これはカンボジアだけではなくアジアの文化だと思いますが、家族との関係を最も大切にします。更には日本のように交通機関等のインフラが整備されていないのもあります。例えば今日のアポイントメントは2時で、あなたはもうすぐ着く頃だというのに「すみません、少し遅くなるかもしれない」という内容の電話をくれましたね。確かにあなたは1−2分遅れましたが、これはカンボジア人からすれば、遅れたうちに入らないです。例えば日本では、13時半にオフィスを出て、全てが正確に動きますから充分に間に合いますが、カンボジアは違うということを理解する必要があります。このような文化の根本には、多くのカンボジア人は日本のようなビジネス環境で育っておらず、自然と共に過ごしてきました。彼らのマインドは根本的に違うということです。

――環境が人を育てるとは良く聞きますが、カンボジアにも当てはめれば物理的要因も含み根本的にはかなり相違すると考えなければなりませんね。

ソー ええ。ですから、私はカンボジア人の事を怠惰だとは思いません。なぜならそこには様々な文化的背景や要因があるからです。 日本人の方には、カンボジアのスタッフに日本の仕事文化や働き方を教え、仕事に責任を持って働いてもらう為にも、このようなことを充分に勉強・理解する必要があり、辛抱強くスタッフマネジメントに臨んでもらいたいと思います。また、人材のプロやコンサルタントのアドバイスを元にきちんとした人材マネジメントシステムを作ることが大事でしょう。

スタッフとの親密な関係を築く

――なるほど。先ほどの質問と少し被るかもしれませんが、カンボジア人と働く上で気をつけなければならないポイントを教えて下さい

ソー まず、多くを期待しすぎないことでしょうか。カンボジアの教育レベルに起因し、日本人の期待する仕事のパフォーマンスには届かないことが多いと思います。
また、良い人材を引き留める為、また人材の生産性を上げる為に人材教育に力を入れることも大切です。仕事と生活のバランスにも気を付けてください。スタッフとの親密な関係を築き、仕事に責任を持って働いてもらう為の環境を作ってください。


――ありがとうございます。新しくカンボジアに来られた方にアドバイスをお願いします

ソー 日本人の方はカンボジア人のスキルや能力を理解する必要があります。しかし彼らは若く、行動力があり、新しいことを率先して学ぶ姿勢があります。彼らに継続して働いて欲しければ良い仕事環境と成長機会を提供することを忘れないで欲しいです。(取材日/2015年10月)


Aプラスコンサルティング Aplus Consulting
事業内容:法務、税務、人材採用・管理、人材開発
URL: http://www.aplusgroup.biz

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