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業界別インタビュー

2016/11/21

良い病院や学校ができたことで家族での移住が進んでいる[運輸・物流]ポール・グルー (3/4)

運輸・物流

アジアン・タイガース・モビリティー Asian Tigers Mobility
GMSカントリーディレクター GMS Country Director : ポール・グルー Paul Glew
 世界14か国、主要アジア各国を中心に30以上の拠点をもつアジアン・タイガース・モビリティー。グローバル水準に基づき、NGOや多国籍企業への引越しサービスのほか、個人向けの各種サービスも提供している。専門性とプロフェッショナリズムを大切にするカントリーダイレクターのポール・グルー氏に、カンボジアの物流業界の変化と今後の趨勢について話していただいた。(取材日2016年8月)
地元業者と国際的な引越し企業の大きな違い

前回の続き
――カンボジアの引越しサービスの平均的なクオリティについて教えて下さい

ポール・グルー(以下、グルー) 保険や必要な家具など予算によってかなり違ってきますね。我々は引越し先への家具搬入も行っています。家具を移動する場合もあれば、我々の用意した家具を入れる場合もあります。その場合はもちろん、可能な限り低予算で良いものを提供しますよ。地元引越し業者は、そういったサービスは行っていませんが、世界各国に拠点を持つ国際企業であれば、似たようなサービスもあるでしょう。しかし、我々はお客様1人1人に焦点を当てており、お客様のニーズに合ったご提案ができるかと思います。

カンボジアで引越しする際に注意点

――カンボジアで引越しする際に注意点があれば教えて下さい

グルー コストを掛け過ぎないのも怖いですね。新聞などで格安での引越しを謳っている場合、もちろん1人25~30ドルで引越しができ、かなり安いと思います。しかしそういった場合、トゥクトゥクドライバーが1人でやって来て、荷物を壊しても無くしても何の保証もありません。低コストで引越しを行うリスクとして、物が壊れた場合、引越し費用以上のコストがかかる可能性があります。なので、地元企業を利用される場合は、評判や周りの人の声をしっかり聞いた方が良いですよ。

 我々が、社員教育に力を入れているのも、社員の技術力や対応力が、お客様の評判や反応に繋がるからです。企業によっては、必要な日のみ、人手として素人を雇っているところもあります。ですので、我々は訓練された作業員にのみ仕事を任せ、高いクオリティを保っているんです。

将来のカンボジアの引越し市場

――将来のカンボジアの引越し市場をどのように見ていますか

 技術的な観点で行くと、より電子化が進むでしょうね。それに伴い、顧客情報の保護が非常に重要になってきます。思い出して下さい、お名前や御社名はもちろん、パスポート番号や家族構成、お子様の学校まで。我々引越し業者は、お客様の非常に個人的な情報を取り扱います。取り扱うシステムも、安全性や顧客保護を考えた上の開発が必要となってきますね。現実はもちろん、電子上でも、お客様は安全を求められていますから。

 しかし、ローカルの人々には個人情報を保護しなければならないという概念を分からない人も多いです。他人を信じているからと。特に小さなローカル企業は必要ないと思っている企業もあると思いますね。我々は、国際企業であり、その重要性を十分に理解して、社員にも教育しています。新しい技術は、企業の進歩を促進し、前へ進ませますが、お客様の安全性は必ず守る必要があります。

 また、サービスはより水平的になっていくと思います。ここ15年で、引越し業界は個人から、NGOや政府、企業に向けてのサービス展開をしています。業者自体も国際的な企業が増えてきました。カンボジアで言うと、良い病院、良い学校ができたことにより、以前は男性の単身者が多かったのが、家族での移住が進んでいます。ですので、我々は、お客様はもちろんその奥様やお子様、ご家族に満足して頂けるサービス展開をしていくつもりです。カンボジア自体、まだまだ規模が大きくなります。そういう意味では、とても前向きに見ていますね。(取材日2016年8月)
次回へ続く


アジアン・タイガース・モビリティー Asian Tigers Mobility
事業内容:海外引越
URL: www.asiantigers-mobility.com
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