2018年1月19日
――会社紹介をお願いします。
チー・セラ(以下、チー) 私の名前は、チー・セラです。2007年にオンラインゲーム会社を始めました。3年後の2010年には事業を拡大し、『サバイドットコム』というwebサイトを開設しました。カンボジアに関わるトピックを発信するカンボジア初のクメール語サイトです。その後、更に事業を拡大し、オンラインエンターテインメント事業を始めています。私自身、メディアに特化しているのではありませんが、エンターテインメント業界の人々に様々なコンテンツをプロデュースしています。
――御社の強みを教えてください。
チー 他社との違いは、弊社のビジョンにあると思っています。“サバイ”という会社名にもある通り、我々のビジョンは人々を幸せにすることです。“サバイ”はクメール語で幸せを指します。
そのため、多くのメディアが悲劇、紛争、戦争、闘争といったバッドニュースを報じる中、弊社は人々を元気にするポジティブなコンテンツ作りに重きを置いています。もちろんバッドニュースは人々が必要としている情報ではありますが、弊社はそうした一般的なメディアとは相反した、人々を明るくする情報発信を行っています。
また、弊社は常に革新的なメディア、創造的なパイオニアとして、新たなことに挑戦しています。新たなテクノロジーやノウハウを世界中から導入し、カンボジア市場に適用することを常に心がけています。
―― 毎月2000万のページビュー数と200万の訪問者数を誇っているカンボジア最大のメディア媒体ですが、カンボジア人から人気のあるメディアはどのように作られるのでしょうか?
チー 弊社自身、単独のウェブサイトとしてはローカル市場で非常に大きいメディア媒体だと確信しています。カンボジア人から圧倒的な支持を受ける理由には、カンボジア国民に特化したビジネス展開を行っていることが挙げられると思います。Webサイトは全クメール語ですし、内容もカンボジアで起こっているニュースに重きを置いています。
特に、弊社のターゲット層である10代を中心とした若者からの関心が高い、エンターテインメント、テクノロジー、スポーツ、生活面のニュースに重きを置いています。彼らの食事や、遊び場所、最新のファッションなど、彼らが日常で実際にしていること、求めていることを伝えています。
エンターテインメント分野に関しては、弊社は実績が長く理解も深いため、スピード感を持ってニュースを入手し拡大することが可能です。
また、女性に関するメディアも行っています。カンボジアの全体人口のうち55%が女性であるため、弊社では女性向けのWebサイトをカンボジアで初めて開設しました。なかなか注目されることのない女性に関する話題ですが、女性に関する事件、健康、美容など、ローカル女性の抱える問題や話題について取り上げています。
カンボジアのオンライン使用者は700万人で、そのうち80%近くが若者だと考えられるため、弊社としても若者をターゲットにしたビジネス展開を行っています。ソーシャルメディアやITを駆使することで、彼らから多くのアクセスを得られているのだと思っています。
――カンボジアで、これほどまでにインターネットの使用が盛んになっている理由は何だと思われますか?
チー カンボジアという社会で生まれ育った私の個人的な見解ですが、私の時代はインターネットを使用する若者もおらず、本やメディアを通して知識、情報を得る機会がありませんでした。日本では本や他メディアを通してあらゆるものにアクセスできると思います。しかしカンボジアに突如インターネットが参入し、何百万というウェブサイトやモバイルアプリを利用することができるようになりました。
カンボジアでは、ニュース情報を得るのにわざわざ外出し新聞を購入する必要はありません。検索しなくても、フェイスブックを見れば誰かが最新ニュースを共有しています。すぐに情報が手に入る時代です。
そのためカンボジアの人々はインターネットを通じて、情報を知るのを好むのだと思います。
(次回へ続く)