2018年8月6日
―――プロフィールを教えてください
1979年のポルポト時代にシェムリアップで産まれました。生後間もない時に、家族でタイ国境の難民キャンプに行き、2才の時に神奈川県大和市に難民として移住しました。小学校から高校までを相模原で過ごして、中国の北京に留学しました。そこのクラスメートの韓国人女性と結婚し、日本で暮らしていたんですが、2011年に夫婦と共にカンボジアに帰国しました。今は、コスメ、建築内装と不動産の3つの事業に集中して取り組んでいます。
―――3つに集中する前はどんなビジネスをされていたんですか?またなぜその3つに集中することになったのでしょうか
いろいろやりました。中古車販売、カフェ、農業・・・。しかしカンボジアでの仕事の流儀といいますか、システマチックになっていないところでの取引先との関係や、マーケットの読み間違いなどでうまくいかなかったり、大きな損失を計上してしまったりで、一度全部の業務を見直したんです。その中で、3つの事業は経験も積んでノウハウができてきたこと、お客様に喜んでもらえていること、今後成長していく分野であること。そしてなにより、お客様やスタッフ、外注先など、いい人たちの環境で仕事ができていることが理由でそこにすべての資源を投下しようと判断しました。
―――建築、内装は主にどんなことをされていますか
はい、多いものが店舗内装、改装です。大型のものよりも、街の工務店のような小から中型のものを施工し、アフターケアまでしっかり行うことを得意としています。いろんな原因でカンボジアの建物は問題が多いので、作って終わりではなく、しっかりしたメンテナンスや急なトラブルへの迅速な対応を常に心がけています。また、弊社の施工でなくてもトラブルへの対応で連絡いただくことも多く、電球一つから対応させていただいております。
私は、日本の教育を受けていて、日本語がネイティブです。なので善悪の判断は日本人と同じで、日本人のお客様の気持ちを理解できます。一方、私はカンボジア人ですし、カンボジアの文化や風習を教えられながら育ちました。なので、ワーカーや外注先のカンボジア人の気持ちもわかります。厳しい日本人のお客様の声をカンボジア人の現場にどう落としていくかを常に考えていくのが私の最大の仕事かも知れません。
―――カンボジアで建築、または内装をお願いするにあたって気を付けるべき点はどこでしょうか。
金額だけで決めないことでしょうか。業者選びには相見積もりが基本ですが、安いからといって一度で決めないことだと思います。3社程見積もりを取り相場を見極めることが大事です。ポイントとしましては、材料コストなどの説明がしっかりされているかを見ることをお勧めします。おおざっぱな見積りではなく、細部まで説明してもらえるようでないとコストが嵩んでしまっている可能性もあります。つまりこのカンボジアで一番大事なことは、いわゆる報・連・相がきちんとできる業者であるかどうかということだと思います。ブランド名や豊富な経験ももちろん大事ですが、コミュニケーションをしっかりとってそのあたりを見極めることではないかと私は考えます。
―――では不動産について教えてください。不動産の中では何を得意としていますか
仲介業全般なので、オフィスや店舗、アパートの賃貸仲介などももちろん行っていますが、多い依頼としましては土地の売買です。通常カンボジアでは外国人は土地を買えないですが、弊社が土地を購入し、弊社と購入希望者でノミニー契約という契約を結ばせていただきましたら、安全に購入することができます。
ノミニー契約を簡単にご説明しますと、弊社が実際のオーナー様の代理(ノミニー)となって土地を所有することです。弊社とオーナー様の間でこの土地の権利はすべてオーナー様に帰属するという契約を交わします。弊社は売買成約時の手数料だけいただきます。それ以外にかかる税金や、弁護士費用などは実費精算となります。主なお客様は日本人、韓国人が多いですね。
―――土地をノミニー契約で取得する際に気をつけるべき点はありますか
やはりありきたりですが、信頼できるところと契約したほうがいいと思います。実際の取得金額に大幅に上乗せしたり、余計な経費を請求されたり、そもそも取得できない土地だったりとやはりトラブルも多く聞きます。あとはお客様自身でもいろいろ調べられて相場観を知っていただくとトラブルを未然に防げると思います。
単純に相場を知りたいとか、ここの土地をいくらで購入しようと思っているとか、そういうご相談はもちろん無料で応じさせていただきますので、お気軽に連絡いただきたいと思います。
―――最後に何か読者の方へのメッセージなどありますか
はい、社名にKanagawaとありますのは、私たち家族が日本の神奈川県で安全に生活することができたおかげで、今こうやってカンボジアで健康に暮らせて、商売させていただけている。その感謝を忘れないために、私よりももっと大変な時代を生き抜いた両親と相談してつけさせていただきました。なので、日本とカンボジア両国の発展のために、弊社が何かお役にたてることがありましたら、どんなことでもご相談いただけたら嬉しいです。