2017年8月4日
――会社紹介をお願いします
グラン・フィッツジェラルド(以下、フィッツジェラルド) IPSは2009年に設立され、今年で8年目。欧米系で最初の不動産業者です。住居の賃貸や売買を行うレジデンシャル部門、商業施設を取り扱うコマーシャル部門、物件管理を行うプロパティマネジメント部門、FS調査やマーケティングを行う部門など、部署ごとに専門家を置いていますが、物件に関するサービスは何でも行う、総合不動産業者です。
我々の経営理念は、正直さ(Honesty)で、オフィスはプノンペンとシェムリアップに計2か所。オフィススタッフは30名で、欧米人やフィリピン人やもちろんクメール人など非常に多国籍なことが特徴です。
私自身は、カントリーマネージャーをしており、カンボジアは7年目。マイクロファイナンスやコンサルティング業に従事し、3年前に不動産業界に転職しました。主に、支店長として各部署のマネジメントも行っています。
――ターゲット層を教えて下さい
フィッツジェラルド 欧米やアジアの駐在員、また、現在急成長しているカンボジア人もターゲットにしています。3年前は欧米人がほとんどでしたが、現在はカンボジア人の方が多いですね。もちろん日本や韓国、中国もそうだと思いますが、国によって好むコンドミニアムは違います。
我々が持っている物件は、欧米式のリノベーションタイプのコンドミニアムが多いため、欧米人に好まれます。また、内装のコンサルティングも行っているので、ソファのデザインや配置など、家具の選び方1つとっても、外国の方々にとって魅力的なようにしています。
――他社との違い、強みを教えて下さい
フィッツジェラルド 我々はカンボジアで7年もの営業経験を持っており、ローカル企業に比べてもサービスや専門性のレベルが違います。また、ワンストップサービスも特徴ですね。例えば、物件を購入したいというお客様の物件探し、そして物件を購入したらそのテナント探し、そしてテナントが決まれば物件管理、最後に売りたいというご要望があれば物件の販売まで、自社で全てサポートすることができます。このように全てのサービスが可能な不動産業者はカンボジアには多くありません。
加えて、外国人のお客様が多いため、例えばノミニ―や契約書の安全性、物件に問題があった場合の対処方法など、お客様の様々なご質問に責任をもってお答えできます。
※ノミニー制度:合法的にプライバシーを保護することができる。法人登記時にオーナーの個人情報を使うことなく登記することが可能
――カンボジアの不動産業界について教えて下さい
フィッツジェラルド カンボジアは、とてもユニークですね。まず一つ目は、大半のカンボジア人はお金を持っていませんが、株式市場もないですし、他に投資するところがありません。そのため、カンボジア人は投資用に物件を購入します。
もう一つは、カンボジア人は現金で物件購入をします。オーストラリア、アメリカ、イギリス、もちろん日本もですが他国では銀行ローンを組むなど、ほとんど金融機関から融資を受けて購入します。しかしカンボジアの富裕層の方々の支払いは、必ずと言っていいほど現金ですね。
――前回のインタビューから、変わったことはありますか
フィッツジェラルド 2年前にはコンドミニアムはそこまでありませんでした。それからコンドミニアムブームが始まり、カンボジア式の複合住居も増えました。また、たくさんのインターナショナルカンパニーがカンボジアにオフィスを構えており、以前はヴィラをオフィスとして使っていましたが、オフィスビルや商業施設にシフトしています。
コンドミニアムや住居、商業施設が増えるにつれて、プロパティマネジメントの重要性も増していますね。以前は、マネージャーを置くだけで入居者がいましたが、今は競合も多く、商業施設でもコンドミニアムでも専門性の高い、プロフェッショナルな企業が求められています。しかしそういった概念は比較的新しいため、ローカル企業にはまだスキルがありませんね。
――ストラタ・タイトルについて教えて下さい
フィッツジェラルド ストラタ・タイトルとは、西洋で言うとビル会社と購入希望の個人が共同所有の契約を結んだ上での専有契約のことを指します。アパートメントに100ユニットあるとしたらこの専有制度を使い、各々の部屋とオーナーとが直接契約できるものです。ただカンボジアではビル全体の7割以内が外国人所有と定められています。上限が決まっていますし、地階や地下以下はカンボジア人の所有でなければなりません。
――プノンペンの特徴的なエリアを教えて下さい
フィッツジェラルド BKK(バンケンコン)1は駐在員の方にとって、いまだに人気ですね。もちろん価格も割高ですが、スターバックスやバーガーキングなど、国際チェーンの飲食店も多くあります。
ロシアンマーケットは、2・3年前と比べて変化の大きい場所です。昔と比べても、たくさんのサービスアパートメントがあります。トンレバサックやBKKでは平米2000ドルのコンドミニアムが、ロシアンマーケットでは平米1000ドルで購入できます。
ドーンペンはまだ開発途中で、ロシアンマーケットと比べても、コンドミニアムやサービスアパートメントはあまりありません。しかし土地が広く、ホテルや駐在員向けサービスアパートメントなど、開発が見込まれるエリアです。
また、価格についてはシェムリアップの方が安く、シェムリアップでは厳しい高さ制限があり、プノンペンはどんどん高層化しています。
――最後に読者の方々へメッセージをお願いします
フィッツジェラルド 不動産のプロフェッショナルを選んでくださいということですね。カンボジアの不動産に関しては特に、法律改正や規制など、情報を得ることは難しいです。我々には、これまでに培った外国人向けの経験やノウハウがあります。さらに手数料も頂きません。問い合わせる理由しかありませんよね。 (取材日:2017年4月)