2018年1月31日
――ご自身、そして御社の紹介をお願いします。
ドム・リエン(以下、ドム) 弊社、ドム・セントラル・デベロップメント・エンジニアリングは、建設、建築、内装、外装、機械、電気、配管工事等を行っています。会社設立以前はチームとして活動し、会社運営を行う十分な能力が身に着いたと感じ、2012年にこの会社を創業しました。
弊社は、300人のカンボジア人スタッフで運営しています。カンボジア人のみですが、彼らは非常にプロフェッショナルです。特に、我々は建設事業を多く行っているため、建設事業に多くのスタッフを配備しています。また建設分野の中でも、弊社は特に工場と商業店舗に重きを置いています。
クライアント先としては、30%がカンボジア系企業、70%が海外企業です。日本のクライアントからも多くのプロジェクトを委託され、イオンモール1及び2のプロジェクトにも携わってきました。イオンモール 1ではこれまで約20店舗のプロジェクトに携わり、現在建設中のイオンモール 2では9店舗と契約を締結しています。
私自身、建設業を始めるためにはあらゆる分野を学ぶ必要があると感じ、10年間に亘ってカンボジア工科大学(ITC:Institute of Technology Cambodia)で機械・電気工学と土木工学を学びました。1つの建物に対し、構造的、機械的な作業から、エアコン、消防システムまで賄うことができます。
――弊社が携わっているプロジェクトについて教えてください。
ドム 弊社は工場や商業店舗、コンドミニアムへの事業に重点を置いています。
イオンモールの一部テナント以外にも、コンドミニアム、マンション、工場、商業店舗、精米施設、KTV、SEZにおける水処理施設、学校、ガソリンスタンド、ホテルなど多くのプロジェクトに携わってきました。建築、建設、設計、機械、電気、消防、配管工事など、その事業内容は様々で、建設分野を幅広くカバーしています。
――建設業に関わる資材・製品を多く販売していますが、これらはどこで手に入れているのでしょうか?
ドム カンボジアの主要サプライヤーと提携していますが、私自身、タイ、中国、ベトナム、マレーシアからの輸入も行っています。時には、クライアント先から日本製品を求められる場合もありますが、品質はもとより輸送費などのコストも高くつきますので、その場合は他国で生産された日本製のものを輸入し、クライアントの要求に応えるようにしています。
――建設業界の現状について教えてください。
ドム 発展途上国であるカンボジアは、建設業も発展を遂げています。そして、益々多くのプロジェクト、特に外国人投資家によるプロジェクトがカンボジア国内に導入されるようになっています。
現在、最も人気のある建設事業はボレイです。フラットも力強い成長が見られますね。
数年前は数が少なかったコンドミニアムも、今ではあらゆる場所で建設を目にすることができます。コンドミニアムは、カンボジアの土地を購入する権限と免許を持つ必要がなく1階以上から購入可能なため、外国人からの需要が大きいですね。そのため、コンドミニアムの建設は増加しています。
エリアとしては、当然プノンペンは最も人気のあるエリアであり、シェムリアップ州、シアヌークビル州、バッタンバン州が並びます。プノンペン市内の場合、コンドミニアムは中心地、工場は国道1号線周辺、ボレイは安価でフリーランドである郊外に多く建設されています。
デザインに関しては、弊社のプロジェクトの中でも、カンボジアの文化に沿ったデザインは滅多に行いません。カンボジア人のクライアントでさえ、ヨーロッパのデザインや日本のデザインなど現代的なデザインを求めます。カンボジアのデザイナーはクライアントの要求に基づき設計を行うため、カンボジアではフランスや日本など、様々な国のデザインが取り入れられているのだと感じています。
――カンボジアでは、コンドミニアムが過剰供給だという指摘もありますが、どうお考えですか?
ドム コンドミニアムはまだ過剰供給に達していないと感じています。私自身、単に時間を要するのだと思っています。弊社がトゥールコック地区でデザインを手がけたコンドミニアムは、1年半前にはわずか60%の占有率でしたが、今ではすでに95%にまで上昇しています。 また、ボンケンコン地区で現在建設中のマンションは、完成前にも関わらず、すでに80%の占有率となっています。
しかし、カンボジアでコンドミニアムを建設する際は、場所とデザインが重要になると感じています。また、パーキングエリアもキーポイントとなっていますね。
(次回へ続く)