2016/07/25
(前回からの続き)
――カンボジアの金利はとても高いですが、今後どうなっていくと予想されますか?
チア・パラリン(以下、チア) 今後は下がるでしょうね。確かにマイクロファイナンスは普通の商業銀行と比べると利率は高いですよね。しかしマイクロファイナンスは、少額融資も行っており、商業銀行だと融資額が10万ドル以上という制限があったりしますが、マイクロファイナンスだと年間で100ドルや200ドルでも借りることが出来ます。
旅行に行きたい、買い物をしたいなど、国民のリッチになりたい願望が益々増えていくのを感じます。そんな人々が国中にいるため、我々のスタッフも地方に散らばり、現在2000人以上のスタッフがいます。スタッフも日々飛び回っているので、オペレーションコストがとても高くなるんですよ。ですので、商業銀行と比べるとどうしても金利が高くなってしまう。しかし現在、政府が市場競争を推進しており、金利に関してはここ1、2年で下がるでしょうね。3年前は36%だったのが、30%、25%と徐々に下がり、今は年利23%程度です。
――預金金利についてはいかがでしょうか?
チア 預金金利ももちろん商業銀行に比べると高いですよね。ただ預金を始めたのはつい最近で、商業銀行と比べると銀行業務も制限されています。ですので、お客様のため預金金利を急激に下げることは考えていません。
日本人の方々がマイクロファイナンスへ預金をする場合には、その人自身をきちんと見させてもらいます。パスポートなどのIDはもちろん、どんな事業をしているか、預けるお金がどこから来たか、合法的に認められているお金かなど。1万ドル以上のものを移動するときは、資金洗浄やテロ資金供与に関わっていないかFIU(Financial Intelligence Unit)を確認します。
――業界の展望を教えて頂けますか。
チア マイクロファイナンスはより成長していくでしょうね。国の成長に伴い、さらに多くの企業や投資家がカンボジアでのビジネス開始し、そんな方々のフォローアップが必要とされます。しかし私の見通しでは、そういった成長は今後2年くらいでしょう。その後は預金業務に注力したいと思っていますね。給与振込の口座開設など、他にも様々な業務拡大を目指しています。
――最後にメッセージをお願いします。
チア 弊社は、1991年に小さなNGOから始まり既に20年以上の歴史があります。今は個人のお客様から大企業の皆さま、地方の方から市内の方まで約39万の口座が動いており、非常に規模の大きい会社です。
特に弊社はお客様との関係性もとても重要視しており、商業目的だけではなく、子供を学校に通わせるなど社会的や環境開発にも投資をしています。ノウハウもあり、マーケットも知っているのでお客様に適したビジネスを提案出来ますよ。
お客様の大切なお金を守り、増やし、後押しする。お客様の未来がより良くなるために、財政面で広くサポート致します。