2018年3月12日
(前回の続き)
――カンボジア市場を活性化させるための計画はありますか?
スヴァイ 市場拡大の焦点は、より多くの上場企業を誘致することです。実物市場では、購入者は購入可能な製品に関して多くの選択肢があります。取引市場がより多くの製品とサービスを導入できるようになれば、より多くの人々が市場に参加すると考えます。市場が多様化し、株式だけでなく、債券やその他の商品のような株式以上のものを提供することで、多くの投資家を引き付けることができるでしょう。
また上場企業には強い財務諸表も必要です。もちろん、株価は常に変動するため、株価が上昇するという保証はありませんが、投資家は強い財務諸表を持つ上場企業を信頼し、投資についてより良い判断を下そうとします。最新かつ正確な情報を入手することで、投資家はより頻繁に投資を行うことができます。たとえば、当グループは四半期財務諸表を発表しています。年次財務諸表を発表する企業も投資家を引き付けるかもしれませんが、取引はそれほど頻繁には行われないと思っています。上場企業の財務諸表の質は市場を助けるでしょう。
また、一般市民に貿易市場に関する知識と情報を提供することも重要です。 当社は、CSXとSECと同様に、潜在的な投資家に情報に基づいた意思決定を行ってもらうため、一般市民に教育サービスを提供しています。トレーニングと能力構築は非常に重要です。
――カンボジアの株式購入を考える外国人に対してアドバイスがあれば、お願いします。
スヴァイ カンボジア市場は、すべての外国人投資家、特に日本人投資家に対して開放されています。カンボジア人は日本製品に対して、非常に信頼を置いています。例えば電化製品を購入する際は、常に日本の製品を検討します。そのため、より多くの日本人投資家が来たら、投資だけでなく文化交換の価値も得られます。また、アジア地域の一部の国とは異なり、自営業を100%所有することもできます。このため、我々はカンボジアで外国人経営のビジネスを求めています。当社のワンストップサービスは、外国投資にとってトップブランドです。
――日本の投資家はカンボジアの株式に非常に関心があります。2016年には日本人投資家は投資家全体の約3%を占めていますが日本の投資家に期待することは何でしょうか?
スヴァイ 先ほども述べたように、カンボジア人は日本製品を信頼しています。製品を信頼するということは、その製品を作る人々を信頼することも意味します。日本人投資家がカンボジアに来れば、カンボジア人からの信頼と文化交流の価値を得られます。そのため、より多くの投資家がカンボジアに来ることを奨励します。
カンボジアには3種類の投資家がいます。まずは、株価が低い時に投資するバリュー(割安株)型投資家です。この場合、彼らは株価が下がり、今後も株価が更に下がると予想した段階で株式を購入します。『低く買い、高く売る』という昔からの言われに従っています。 次にグロース(成長株)型投資家です。彼らは、株価の変動が大きいときに取引を行います。取引により積極的であり、短期間で利益を得たいと考えています。我々は、市場の初期段階において、インカム(定期収入)型投資家に最も関心を寄せています。彼らは長期投資にのみ関心があり、投資からの配当金を受け取ります。5つの上場企業のうちプノンペン自治港とシアヌークビル自治港の2社が配当金を保証し、インカム型投資家を誘致しています。
カンボジアは過去5年間でGDPの一貫した成長が見られました。当社の経営幹部とスタッフはすべて、カンボジア経済の将来についてのポジティブな見解を共有し、全分野の成長を支援するべく活動しています。建設業界の成長が鈍い場合、全分野の成長も減速する可能性があります。
人々はまた、米ドルの価値と石油の価格にも関心を寄せています。これはカンボジア含め、世界経済に影響を与える可能性があるためです。
――カンボジアの株式市場に対する展望を教えてください。
スヴァイ カンボジアは株式市場を運営しており、経済に大きな価値をもたらしています。 日本、米国、韓国、シンガポールなどの先進国も、株式市場を持つことで金融部門でより多くの資金を集めることができ、国を成長させています。銀行は国の経済の基盤となり得ますが、証券市場はその金融部門を完成させる重要な要素です。カンボジアの証券部門は、その製品とサービスを通じて投資家を引きつけ、認知度を向上させ、強化しています。
また上場企業の財務諸表の質の改革も非常に重要です。中期的には、より多くの企業が上場し、大きな改善が見込まれると考えます。これらの改善は、より多くの投資家を市場に呼び寄せるでしょう。
――ラオスやミャンマーのような市場と比較して、カンボジア市場の利点は何でしょうか?
スヴァイ カンボジアはラオス人口の約2倍、ミャンマーよりも少ないです。カンボジアの株式市場の大きな利点は、複数の上場企業を歓迎している点です。ラオスのような国は国営企業のみを上場させていますが、カンボジアでは国有企業および民間企業のすべての分野がCSXへ上場可能です。現在は、公益事業部門、衣料部門 特別経済区、港湾の企業が上場しています。投資家に選択肢を与え、株価の動きをより多く見せるためにも、様々な分野の企業がCSXに上場されることは良い兆候だと考えています。
――最後に、読者に対してメッセージがあればお願いします。
スヴァイ カンボジアへの投資には開放的な政策がとられています。カンボジアに来る投資家に対して、アクレダは財務的ニーズをすべて援助します。(取材日:2017年8月)