2018年3月12日
――まずご自身と会社の紹介をお願いします。
スヴァイ・ハーイ(以下、スヴァイ) 私はアクレダ証券の社長でありCEOのスヴァイ・ハーイです。私は元々、法律の勉強をしていました。2000年に私法と商法の学士号を取得しました。その後、同じ分野の研究を続け、2008年には法学の修士号を取得しました。更に2012年には、アメリカの大学で金融の経営学博士号を修了しました。その時の大学院の授業料は銀行からの支援で補っていました。
私は2001年にアクレダ銀行の支配人として働き始めて以来、16年間アクレダグループに勤めています。支配人の後は、貸出の書類準備を行う融資オフィサーに任命されました。1年ほどして本社に移り、法務部で働き始め、その後法務部長、資本市場部門長に昇進し、カンボジアがカンボジア証券取引所(CSX)を設立した2010年3月以来、当社の代表兼CEOを務めています。
我々アクレダグループは5社で構成されています。アクレダ銀行が親会社にあたり、アクレダ証券とアクレダ・インスティテュート・オブ・ビジネス(AIB)、アクレダ銀行ラオス、アクレダ銀行ミャンマーが子会社です。以前は、ミャンマー政府の規制により、外資系銀行のミャンマー国内での活動は禁止されていました。しかし現在は、マイクロファイナンスを提供するためのライセンス取得を計画しており、ミャンマーのアクレダ銀行の駐在員事務所も設置し、ミャンマーの商業銀行として機能させる予定です。
――アクレダ証券のサービスと強みについて教えてください。
スヴァイ 当社は常に成功しており、カンボジアの金融市場の約3分の1を保有しています。トップで最も信頼を受ける金融ブランドの一員であること、そしてCSX初の上場会社であるプノンペン水道公社の唯一の引受会社であることを誇りに感じています。
当社は、あらゆる場所で関心のある顧客に対し取引口座を開設することができる、ワンストップの証券会社です。また、取引のため投資家にIDを提供することもできます。当社の口座保有者は、株式の売買注文を電話、電子メール、またはサービスカウンターで行うことができ、海外にいる口座保有者は、電子メールで注文が可能です。
更に当社の強みとして、多言語対応可能なことが挙げられます。当社は取引市場の大部分を占めているため、外国人投資家との経験を積んだ当社スタッフが、クメール語や英語以外の言語での注文にも対応致します。近隣諸国や日本やパキスタンのようなアジア諸国の投資家との取引を通して、外国人投資家を迎え入れ、取引を促進するため、言語を十分に学んでいます。外国語サービスデスクは母国語での援助が必要なお客様にご利用いただけます。
またアクレダ銀行のすべての店舗には、資格を持った専門スタッフを配備しています。快適な環境であらゆる種類の銀行および取引サービスを提供できると保証します。オフィスのデザインもまた、エネルギーを節約し、スタッフと顧客に明るくストレスのない空間を提供するように設計されています。
――この業界の現状及び問題はありますか?
スヴァイ CSXは初期段階から改善されていると思います。2012年には上場企業1社だったのが、今日では5社と成長しています。より多くの企業が取引所に上場することが予想されますが、取引所への上場を希望する多くの企業はまず財務記録を強化し、CSXに上場するための追加要件を満たす必要があります。しかし、これらの企業は、上場申請を効果的に行うための訓練と支援を受けており、来年にはCSXに上場する中小企業の数が増えることを期待しています。上場企業の増加は、より多くの投資家を誘致し、貿易を刺激すると見られます。
――先ほどお話頂いたように、現在CSXに上場している企業はわずか5社です。カンボジア市場にもっと多くの投資家を誘致するために、政府と企業に求められることは何でしょうか?
スヴァイ 伝えておくべき取引市場の重要な4つのポイントがあります。1つ目はインフラです。それは既に導入されている規制、適格規制当局、貿易市場そのものを指します。2点目は発行者です。現在、CSXの優れたプログラムで5つの発行者が取引しています。今後の発行者数が増えると予測しています。
3点目は投資家です。2017年8月現在、市場には2,800以上の取引口座があり、当社はこれら口座の3分の1を管理しています。そのため、ますます多くの投資家が既存の株式への投資に興味を持ち、また新たな上場企業へも投資すると見ています。最後のポイントとして、政府はCSXに上場している企業に税制優遇措置を提供しています。新たに上場した企業は、上場日から3年間、利益のうち50%の控除可能税を受けることができます。たとえば、利益1,000万ドルを生み出す企業は、200万ドルの税金を支払うことになりますが、新たに上場した企業の場合は、50%の税金控除を受けるため、支払う金額はわずか100万円です。更に、口座を開設し株式を購入する投資家は、課税対象金利の税額控除も受けることになります。
カンボジアの市場はかなり開かれており、投資に関しても制限はなく、誰でも可能です。
(次回に続く)