政府は10月5日、2018年の縫製業、被服業及び製靴業に従事する労働者の月額最低賃金を153ドルから170ドルに上昇すると発表した。
先月には、縫製労働者のための新たな最低賃金に関する話し合いが始まり、政府は2018年には162.67ドルまでの上昇を提案していたが、雇用者側は161ドル、労働組合側は176.25ドルを要求していた。
三者協議によって決定された165ドルの提案に、フン・セン首相が5ドル上乗せした170ドルで落ち着いた。
2017年の153ドルから11.1%増。一昨年から昨年にかけての伸び率9.2%増を上回る伸びとなった。
フン・セン首相は、8月に労働者や行政職員等の大勢が集まるなかで、最低賃金は2018年1月から168ドルにベースアップすると発言していた。
最低賃金がASEAN諸国の中でカンボジアの次に高かったベトナムは、2018年のベトナムのハノイ・ホーチミン等都市部における月額最低賃金が398万ベトナムドン(175ドル、10月5日為替レート換算)と昨年から6.1%上昇しており、カンボジアとの差がさらに縮まった。
なお、2017年、ベトナムの祝祭日は13日ある一方、カンボジアの祝祭日は27日ある。また、世界経済フォーラムの世界競争ランキング2017によると、従業員の給与と生産性の関係性では、137カ国中、ベトナムが66位なのに対し、カンボジアは64位だった。