カンボジア国立銀行(NBC)は、カンボジア経済が堅調な成長を見せる中でも、融資再編プログラムを引き続き支援する方針を再確認した。
製造業や観光業は成長が顕著であるが、建設業や不動産業は依然として課題に直面し、マイナス成長を続けていると、NBC総裁のチア・セレイ(Chea Serey)は述べている。
融資再編は、企業や家計が依然として抱える財政負担に対処するための重要な手段であるとし、特に収入や仕事を失った人々にとって、借入金の返済が難しくなっているため、融資再編が引き続き必要であるとセレイ氏は強調している。
NBCは2025年末まで融資再編を制限なく実施するよう金融機関に指示しており、金利は変更されない方針だが、こうした動きは短期的な救済策として有効であるものの、返済期間の延長が最終的な返済総額を増加させるほか、将来的に不良債権(NPL)のさらなる増加につながるリスクがある。
IMFは2024年のカンボジアの経済成長率を5.5%と予測しているが、不良債権の増加や民間部門の高い債務水準が経済成長や金融安定にリスクを与えていると警告しており、特に建設業や不動産業での融資再編が経済全体の健全性を保つ上で課題となっている。
2024年8月時点で、銀行部門における融資再編の総額は40億ドルを超え、顧客数は28万7000人に達している。