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マレーシアやベトナム、インドネシアにおいて百貨店を運営するパークソン・リテールアジアリミテッド社(PRA、拠点:シンガポール)と、首相補佐特命相かつカンボジアムスリム発展財団代表のオスマン・ハサン氏が所有するハッソン・ディベロップメント社(HCDC)との間で、プノンペンのショッピングモール事業を巡って長年続いていた法的紛争が新たな展開を見せている。
パークソン社は2016年末までにロシア通り沿いにショッピングモールの建設を計画していたが、大家の度重なる引渡し遅延を機に契約違反を主張し、敷金と前家賃の返還を求め訴訟を起こしていた。
シンガポールに上場しているPRAは、マレーシアの小売り業最大手であるパークソンホールディングス社の一部門だ。パークソン・カンボジアに代わりPRA社がシンガポール国際仲裁センターに仲裁を申し立てた結果、仲裁人は総額780万ドルの支払いをHCDCに命じた。
しかし、HCDCはこの主張を否定し、1億4400万ドルの損害賠償請求をプノンペン自治裁判所に控訴し、勝訴した。PRAは、この訴訟をシンガポールの裁判所への移送を上訴裁判所に申し立てたものの、カンボジアでの手続きが未完のため時期尚早であるとの理由で却下された。
オスマン氏は、「カンボジアでのプロジェクトをめぐるカンボジア企業2社間の紛争だ。カンボジアの裁判所の管轄であり、シンガポールの仲裁人の決定は尊重しない」と述べ、HCDCがシンガポールの仲裁人の裁定に従わないことを示唆している。