(c)Phnom Penh Post
異常発生した藻類により大量のカニと魚がケップ沿岸に漂着した事態を受け、政府はシーフードを食べたり遊泳を避ける様に注意を促した。
異常発生は、海水・淡水に限らず水温の上昇や富栄養化などの要因によってもたらされる。増殖したプランクトンが死滅して海底へ沈殿し、バクテリアによって分解される過程で酸素が消費される。水中で酸欠状態になることで海洋生物を窒息死させる。これらの海洋生物を食べると人体にも有害であると言う。
プノンペンポスト紙によると、カンボジアの海洋保護団体員は、「近年、ケップ本土と島の間を横行している船底を違法改造したトロール船によって海底にあるはずの腐敗した藻類が海中に巻き上げられ、不自然に富栄養化され、藻類の異常発生を引き起こした。異常発生自体は一時的に生態系が崩れたことによって起こる自然現象だが、おそらく人為的要因によって悪化している」と言う。
一部でベトナムの工場から漏えいした化学物質によって引き起こされたと言う噂も広がっているようだが、環境省のスポークスマンは否定している。カンボジアはここ数日気温が上昇しており、単なる自然現象だという。
環境省職員やケップの住民によると、藻類の異常発生は3日には沈静化の兆しを見せているが、まだ完全に解決したわけではないと言う。
クメール正月需要を見越していたケップ近郊の観光施設には少なからず影響が出そうだ。