カンボジアの2024/25年度の乾季稲作面積が過去最大の91万ヘクタールに達したと、国連食糧農業機関(FAO)が発表した。価格の高騰が播種拡大の要因となり、昨年11月以降の天候は安定し、灌漑水の供給も十分だったため、収量にも好影響を及ぼしている。
また、年間生産量の約70%を占める2024/25年度の主湿季稲作は2月に収穫が完了し、こちらも高価格を背景に作付面積が拡大。降水量も適切で、過去最高の生産量が見込まれている。一部では2024年5〜6月の乾燥や9月の豪雨・洪水により局地的な被害が発生したものの、総生産量は1,400万トンに達すると予測される。
さらに、年間生産量の約20%を占める乾季のトウモロコシ作付けも進行中であり、土壌水分状態が良好なことに加え、地元飼料産業からの強い需要を背景に、作付面積は過去5年平均を上回る見込み。主湿季のトウモロコシ収穫は昨年11月に完了し、2024/25年度の総生産量は過去最高の170万トンに達すると見込まれている。
2025年の米輸出量は260万トンと予測され、2024年の330万トンからは減少するものの、依然として十分な水準を維持するとされる。一方、2024年10月から2025年1月にかけて卸売米価格は収穫期の影響で一時下落したが、前年同期比では約10%高となっており、国内消費と輸出需要が価格を下支えしている。