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アジア開発銀行(ADB)の首席エコノミストは、「2030年に起こり得る、後発開発途上国(LDC)からの格上げへの準備として、輸出主導型のカンボジアの経済モデルを再考する必要がある」と提言したクメールタイムズ紙が報じた。
ADB経済研究と地域協力部の主席エコノミスト、ジャヤント・メノン氏は、「世界銀行による、カンボジアの低中所得国への昇格は間違いなく良いニュースだが、数多くの課題もある。カンボジアは輸出主導型の経済成長モデルであり、この昇格により先進国への優先的なアクセスや援助が減少する可能性がある。必ずしもそうとは限らないが、すぐに準備が始まるはずだ」と語った。
カンボジア縫製業協会(GMAC)の事務局長は、8月のクメールタイムズ紙に、「世界銀行によるの分類における低所得国からの卒業は、世界銀行からの開発援助における資金額の減少を意味する」と述べた。
昨年7月、世界銀行はカンボジアの1人当たりGNI(総国民所得)を改定し、低所得国から低中所得国へと格付けを上げた。一方、国連開発政策委員会はLDCを各国でレビューし、収入や人的資産および経済的脆弱性に基づいて3年ごとに格付けを行う。
メノン氏は、「カンボジアは国際連合の定義に基づくと依然としてLDCであり、長期間にわたり貿易特権を保持する可能性が高いが、現在の成長率を維持できれば、2030年にLDCから格上げされるだろう。今後、国が繁栄するにつれて、海外開発援助と譲許的融資が減少することを考慮すべきで、それまでに貿易に関連する税金の依存を減らし、直接税から間接税への移行を早める必要がある」と語った。
経済財政省のデータによると、2017年と2018年にGDPは7%増加し、1人当たりGDPは、昨年の1302ドルから今年末には1422ドルに達するという。