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  • 社会
  • 2016年2月18日
  • カンボジアニュース

シアヌークビルビーチ、事業者たちに立ち退き命令[社会]

 シアヌークビルの地元当局員が2月16日、オートレスビーチにある全てのバーやレストランとオーチティルビーチにある一部について、1か月以内に閉店しなければ強制的に立ち退かせることを明らかにした。

 2月12日付で公表されたプレア・シアヌーク州ユン・ミン知事の声明によると、環境への配慮により、オートレスビーチ全体とオーチティルビーチの南端にある事業は3月13日までに立ち退かなければならない。

 この声明では、「このエリアの事業者は2月13日から3月13日の間にビーチから立ち退くこと。この期間を過ぎても立ち退かない業者に対しては強制執行も辞さない。また、当局は破損した財産について一切責任を負わない」としている。さらに「カンボジア湾管理運営国家委員会は、これらのビーチを開発し、環境を向上させる配慮を行いたい」とされている。

 ミン氏は声明の中で今回立ち退きの対象となっている事業者たちがこれまで当局を無視してきたことを非難しており、「当局はこれまで長い間、彼らの新しい建物の建設を阻もうとしてきたが、彼らは従うことなく建設を続けてきました。今回、当局はビーチをより良いものにするため、この手段を実行したいと思っています。我々は彼らに立ち退きを求めねばなりません」と同氏は話す。

 シアヌークビル州の公務員イ・ソクレン氏は、閉鎖が求められるのはビーチ上の建物のみであり、それらがなくなってからの開発についてはわからないと話す。

 「本来は海から100メートル以上離すべきですが、これらの建物は海に近く、潮が満ちると海に漬かります。当局もこのビーチの上の事業者がいなくなった後どうなるのか、新しいホテルができるのかどうか、わかりません。それがわかるのは政府が海から何メートルのところになら建物を建ててよいのか判断してからでしょう」と同氏は語った。

 ソクレン氏によると、事業主たちは立ち退きに関して損害賠償を求めているが、彼らはこれまで土地を占拠しその特権に対し税金を払ってこなかったと指摘する。

 オートレスビーチの事業者たちはこの声明に対し反抗と恐怖が入り混じった気持ちでいる。

 バンガローを経営するジョセフ・マクコート氏は、「彼らが私を強制的に追い出すまでここにいるつもりです。ここにいるカンボジア人たちは今何をしていますか?例えばうちで雇っている料理人たち、彼らのうち3人はこれが初めての職でもう20代半ばです。職が無くなったら彼らはどうしますか?地元当局は何千もの職を奪おうとしています」と述べた。

 レストランのオーナーであるコイ・チャイ氏は2月18日木曜、約250名の地元民を動員しこの決定に対抗する考えを明らかにした。

 「すべての事業にたくさんの人々が従事しています。そしてこの職で食べているのです。この職がなければ、私たちのすべてのコミュニティーや従業員、すべてが職を失い困窮します」と同氏は話す。さらに同氏は、「私たちもこの国が発展し、きれいで良いところになってほしいと思っています。人々に職がないのに何を発展と呼んだらいいのでしょう?」と語った。

 シアヌークビル州副地方長官のチン・セングオン氏は経済的な影響も考慮したうえで、環境が優先であると判断したと明かした。

 「国家委員会は彼らが職や事業を失うことを憂慮しています。しかし今回の決定はこの国のすべての人に利益をもたらすでしょう」と同氏は話す。
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