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ワシントンに本部を置く保守系シンクタンク、ヘリテージ財団は各国の経済自由度を示す国際基準「経済自由度指数」について最新の報告書で、カンボジアの経済自由度は、汚職や官僚政治が自由市場を阻害しているとして「自由度が低い」とランク付けした。
カンボジアのスコアは57.9(満点は100)、世界だけでなく東南アジアの平均を下回っておりここ五年大きな変化はない。財団が月曜に発表した2016年のランキングでは178か国中112位であった。
「自由度が低い」とされる国は全部で62か国あり、隣国ベトナムもその一つである。一つ下のランク、「抑制されている」とされる国にはラオスやミャンマーが含まれる。
経済自由度指数は基本的に国の自由市場が経済成長を生み出し強化するとして、それがどの程度機能しているかを反映する。具体的には法の支配や政府の大きさ、規制の影響力、市場の開放度を数値化することによって自由度を測る。
財団は、カンボジアは基礎的な経済的自由が無いことから貿易の開放度や海外からの直接投資を伸ばす機会を失っているとしている。
報告書では「カンボジアは国際的な貿易や投資のシステムに完全に溶け込もうとしている。しかし不安定な所有権や汚職の蔓延、長期的な政権の干渉によって悪化した官僚政治、官庁の抑制などの要因が投資の流れや総合的な経済効率の上昇の勢いを削いでいる」とされる。
カンボジアは所有権保障の不足や汚職を理由として法の支配と商業自由度のカテゴリーで最低点であった。
「海外からの投資によって著しい経済成長をしているものの、政治家や官僚、軍人によって頻繁に土地が横領される。司法は汚職によって独立性を損ない、有効性を欠いている」と報告書には書かれている。
エイド・ディペンデンス・カンボジア創始者のソパル・イア氏は火曜日、メールで「政府の汚職が無くなればカンボジアの成長は更に目覚ましいものとなるでしょう。カンボジアのような発展途上国にとって経済自由度は重要です。なぜなら政府は門番や仲買人のように経済や国民から金を搾り取っていくからです。」と述べた。
コンサルタントファーム「バウアーグループアジア」、カンボジアマネージングダイレクターであるデイビッド・ヴァン氏は、脆弱な法の支配の結果である不安定な商業・投資環境は国の競争力を低下させると警鐘を鳴らす。
同氏はメールでの取材に対し、「カンボジアがここ数年『継続的に』とても低いスコアであるという事実は、何も有効な対策や構造改革がされていないことを証明しています。わずかな人数の大臣が個別に改革をしても包括的に改善されたビジネス環境を供給するには十分ではありません。」と答えた。
また、報告書が低い関税や投資に対する制限の軽減を理由に自由貿易がカンボジアで著しい成功を収めていると強調する一方で、アジア開発銀行の地域統合事務所を率いるエコノミスト、ジャヤント・メノン氏は、自由市場を最重要の目標にするべきではないとした。
「国は開きすぎてもいけません。完全な開放をする際は規制の仕組みやリスクの軽減をよく考える必要があります。指標は非常に市場主義に偏っていて、すべての政治的勧告に従える国はほとんどないでしょう。」と同氏は指摘する。
ロサンゼルスのオクシデンタル大学准教授であるソーパール・イアー氏は、市場に対しては放任と干渉のバランスを取らなければならないと賛同した。
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