カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

業界別インタビュー

2018年8月3日

インターナショナルスクールの定義が整備されていない[教育・学習支援]ペッチ・ボレン

教育・学習支援

ウェストラインエドゥケーショングループ Westline Education Group
会長兼CEO: ペッチ・ボレン Pech Bolen
プノンペン市内にローカルスクールからインターナショナルスクールまで3つの学校と人材トレーニング会社を運営しているペッチ・ボレン社長。教育に関して熱い情熱を持っておられる社長に、今のカンボジアの教育産業とこれからの課題についてお話を伺った。
本物のインターナショナルスクールは個人的には5割程度

―――御社について教えてください

 わが社は2011年よりシンガポールの投資会社と共同運営をしており45%(1Million USD)のシェアはその会社が所有しています。この投資会社はIFCやヨーロッパの政府系のファンドマネジメントを行っている会社です。弊社はローカルスクールとインターナショナルスクールの運営のほかローカル系私学(共同パートナーとして)30校へカリキュラムコンサルタントとその提供、また参加のEDIでは政府職員(MOIやSenate)や空港スタッフなどへの職業開発訓練プログラムの提供も行っております。トレーニングプログラムを外部(勤務先)に提供することもあれば自社のキャンパスでプログラムを提供することもあります。

 スクール向けのプログラムには外から良いものを取り入れたいという思いから、”7 Habits for highly effective people”や“Money tree Program”の代理店として国内でプログラムを提供しています。学校運営のみならず、社会を良くする仕事を手がけたいと言う願いでパートナーとして取り組むことを心がけています。学校設立のコンサルティングの仕事もあります。

 2018年よりウェストラインスクールはフランチャイズ化をはじめ、日本橋の先に新しいキャンパスが完成予定です。

―――違う種類の3校を運営する理由を教えてください

 弊社のスクールは中流家庭をターゲットにしていますが、需要が拡大する中で、親御さんに選択肢を与えたいと感じていたためです。ウェストラインはクメール語ベースのローカル校、Apple Treeは三ヶ国語対応の一段階上、フォレストヒルは欧米系カリキュラムで運営する完全なインターナショナルスクールです。事実、所得が上がっていく中で学校を変える家庭も出てきました。インターナショナルスクールはカンボジアに膨大な数がありますが、本物のインターナショナルスクールは個人的には5割程度だと感じています。カンボジアのインターナショナルスクールにも資格要件がありますが名前ばかりのインター校が多いので気をつける必要があります。

 フォレストヒルでは幼児教育にも着目してデイケアも併設しています。手狭になってきたので近所に拡大予定です。弊社のインターナショナルスクールはいずれもミッドレンジの学校となり年間学費は年齢に応じて4000-5000ドル程度です。12校で12000人の生徒、1000人以上の教員を抱えており、教員の1割程度が外国人です。カンボジアの教育は科学が弱いので弊社ではSTEMプログラムを活用したカリキュラムをApple treeとフォレストヒルで今年から提供予定です。投資会社の傘下にあるという事もあり、経済教育にも力を入れています。

 他社との違いは何よりも教育界ではベストチームで運営できている学校だと自負しています。官民両方から優秀な人材を活用し子供たちの教育の未来が明るいよう力を入れています。次にカンボジアにありがちなファミリービジネスではないことから、コーポレートガバナンスがしっかり構築されており、財務の透明性にも配慮しています。そういった部分がきちんとしているため、外部の投資を呼び込みやすく拡大の要素がまだあると感じています。最後に「プログラム改革」に力を入れて、国内外から様々なプログラムを導入して生徒の教育の機会を増やしています。(前述の科学や金融教育等)

―――今の教育産業の現状を教えてください

 ポジティブな面で言うと私学と公立校の間で健全な競争原理が働いているところです。近年は公立校もカリキュラム改革に力を入れているため、気をつけないとすぐ学校運営は立ち行かなくなります。MOEでも今後はスポーツに力を入れると発表しており、体育教育の導入など着実に進歩しています。学校運営は初期投資がかかるのですが、お金のある人にとってはポピュラーなビジネスとして捉えられていて年々私学も増えてきており、様々なカテゴリで選択肢が増えました。

 ネガティブな面は、いろいろと制限があるのでここは今後改善の余地があります。まずは私立学校の分類にはっきりとしたルールがないことで名ばかりインターナショナルスクールがいやと言うほど増えました。これは子供たちへの安全面からも絶対に取り締まるべきですし、政府は早急に対策を打たなければなりません。政府内でも理解はあるのですが実際そのマンパワーが追いついていないのが辛い現実です。学校の分類が済んだら次のステップは質の担保です。とにかく政府には道徳的観点及び技術的観点での支援をお願いしたく思っています。

次回へ続く


ウェストラインエドゥケーショングループ Westline Education Group
事業内容:インターナショナルスクール
URL:
関連記事

その他の「教育・学習支援」の業界インタビュー