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業界別インタビュー

2017年9月8日

子ども達にとって社会や考え方に寛容になることが求められている [教育・学習支援] ヒーザー・ゴーレン

教育・学習支援

ギビングツリースクール Giving Tree School
校長: ヒーザー・ゴーレン Heather Golen
家族連れでカンボジアに移住する人も増える中、異国での教育に不安を抱える人も多いだろう。6か月~11歳までの子どもを対象に、美術、工作、音楽、体操、ヨガ、水泳や水遊び、料理、フランス語、日本語、クメール語などの教育を行うギビングツリースクール。使用言語は英語で、午後のクラスでは他の言語も使用するという。そんなインターナショナルなギビングツリースクールの校長、ヒーザー・ゴーレン氏に、教育現場について話を伺った。(取材日/2017年4月)
教師は14ヵ国、生徒は30ヵ国

――初めに自己紹介をお願いします

ヒーザー・ゴーレン(以下、ゴーレン) 私はアメリカのシカゴ生まれです。教育トレーナーをしています。教育学部心理学科を卒業しました。旅行が好きだったので、大学を卒業してからタイや台湾で英語を教えていました。カンボジアに初めて来たときに、私にぴったりな国だなと思ったので好きになりました。カンボジアに来てからはインターナショナルスクールの教師をしていました。また、校長になる前は当スクールで教師として教えていました。


――日本には行かれたことはありますか

ゴーレン 日本に行ったことはありません。もし、行く機会があれば行ってみたいです。


――是非一度遊びにきてください。それでは、学校紹介をお願いします

ゴーレン 当スクールはアメリカ人夫婦とフランス人夫婦でスタートしました。2008年当時、本当に子どもの教育を重視した学校がなかったためです。だから、私たちは、他のいわゆる「インターナショナルスクール」と名がついているところなどと違った環境や場所を提供するために、お金を投資して子供たちのための居場所を作りました。

 当スクールは、特別な仲間でお互いに信頼し合っています。スタッフは14ヵ国の人で構成されていて、本当にインターナショナルです。

 彼らはこの学校が好きで、働いています。当校に足を踏み入れれば、スタッフが情熱的だとわかると思います。当スクールは小さい学校ですが、本当に賢いスタッフがたくさんいます。ある親御さんに関する話なのですが、「来年から先生に毎回一対一で勉強を教えてほしいから家に来てほしい」という話がありました。なぜなら、その勉強の積み重ねが8年間で子供に対して小学校に始まるときに有利に働くからです。
また、他の学校と違うのは「自分の家のような場所」だということです。なぜなら、授業はのびのびとして快適で、少人数の授業で優秀な先生がいて、細心の注意を払いながら多文化教育を実践しているからです。そして、当スクールには30ヵ国もの子どもがいます。男女比は1対1ですね。


――すごく国際的ですね。日本人はどれくらいいますか

ゴーレン 生徒には10%くらい日本人がいて、また2人の教師がいます。日本語(母国語」を忘れないために学生に来てもらい子どもたちに教えてもらっています。

一番重要なことはポジティブな経験をたくさん積ませること

――現在のカンボジアの教育や文化について教えてください。子どもたちをどういう風に育てることがよいと思いますか

ゴーレン まず、小さな子ども達にとってプノンペンはとても親しみやすい街です。高い質の幼稚園やインターナショナルスクールがあります。子どもが遊ぶ多くのアクティビティは家族にとって安心できると思います。プンノンペンは子どもや家族にとって最高の場所です。カンボジアはとても美しいところです。カンボジアの文化は子どもたちを愛し、あたたかく受け入れてくれます。なので、伸び伸びと育てられることが良いと考えます。

 当スクールには、1歳児から10歳の子どもがいます。そして、2歳児ぐらいまでの記憶は生まれて初めての経験になります。子ども達にとって、一番重要なことはポジティブな経験をたくさん積ませることだと思います。子ども達は、たくさんの成功をして家に帰るので、学校に来ることが好きになります。学校での経験は新しいことに対して子どもたちを前向きにさせてくれます。彼らは学校で感じることで学校の考え方を好きになり、そして学校で勉強することが好きになります。

ギビングツリーの教室はまるで世界を見ているよう

――親御さんからはどんな要望がありますか

ゴーレン 特に多いのは、子どもを幸せで安全に成長させてほしいということです。私は当スクールを子どもたちの家の延長として考えてもらいたいと思っています。多くのご両親たちは子ども達が学校でなにをしているのかを知りたいと思っています。


――国籍によって親御さんからの要望は変わったりすることはありますか

ゴーレン だいたい同じだと思います。まず、ご両親が学校を選ぶ際の理由は信条や学校がどんなカリキュラムを学校が行っているかだと考えています。彼らが学校に対して期待していることは似ていると思います。


――たくさんのインターナショナルスクールがプンンペンにはありますが、他のインターナショナルスクールとの違いはなんですか

ゴーレン 間違いなく、人です。スタッフや先生の質が他の学校とは違います。当スクールのスタッフたちは的確で熱心です。また、仕事が好きで寛容な方ばかりです。

 もう一つの違いは本当に多様な国の子ども達が在籍していることです。Giving Treeの教室はまるで世界を見ているようです。彼らは同じ校庭で、いろんな経験をし、とても楽しい生活を送っています。

間違いなくインターナショナルスクールの競争が激しくなる

――教育業界の未来をどう考えていますか

ゴーレン 私はプノンペンや世界でのすべての教育が急激に成長していると思います。世界の教育規模は小さくなるため、私たちは横のつながりを保ち続けなければいけないです。多文化教育は大きな流行として良い印象をいろんな国に与えていると思います。だから、例えば、英語のカリキュラム拡大は日本の教育の在り方を巻き込んでいき、その他の異国の多様性を許容せざるを得ない状況になっていくでしょう。こうして、多文化の環境に良い影響を与えることができると思います。子ども達にとって社会や考え方に寛容になることが求められていると思います。

 そして、カンボジアの将来の見通しとして、間違いなくインターナショナルスクールの競争が激しくなると思います。毎年たくさんの学校ができて、インターナショナルスクールはもっとインターナショナルになると思います。毎年たくさんの質の違う学校ができるため、親御さんにとっては学校を選ぶのが難しくなると思いますが、私も競争は重要だと考えています。


――卒業した子ども達の進路状況か教えてください

ゴーレン 当スクールはgrade5の11歳で卒業しなくてはいけません。当スクールを卒業した後は多くの子ども達はインターナショナルスクールに行きます。また、子どもの中にはフランスの学校に行ったり、日本の生徒は日本語カリキュラムのある学校行ったり、さまざまです。そして、カンボジア人の多くの生徒は大学入試試験に受かるために、二カ国語教育のある学校に進学します。ですから、生徒達はそれぞれ違った進路になることが多いと思います。


――最後に日本にいらっしゃる教育ビジネスに興味のある方々にメッセージをお願いします

ゴーレン プノンペンはどんどん急激に発展しています。私はプノンペンに来て約8年が経ちました。プノンペンの成長は信じられないくらいのペースで発展しています。そして、プノンペンのマーケットはどんどん洗練されています。私たち、当スクールをはじめとするインターナショナルスクールは親御さんからの教育の質にきちんと応えていかなければいけないと考えています。(取材日/2017年4月)


ギビングツリースクール Giving Tree School
事業内容:インターナショナルスクール
URL: http://www.thegivingtreeschool.com/
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